サンデー『双亡亭壊すべし』最終回! 鬼才・藤田和日郎が描いたテーマとは…

サンデー『双亡亭壊すべし』最終回! 鬼才・藤田和日郎が描いたテーマとは…

サンデー『双亡亭壊すべし』最終回! 鬼才・藤田和日郎が描いたテーマとは… (C)PIXTA

『うしおととら』や『からくりサーカス』で知られる藤田和日郎の漫画『双亡亭壊すべし』が、7月21日発売の『週刊少年サンデー』34号で最終回を迎えた。2016年から約5年にわたって連載されてきた人気コミックの完結に、読者からは感嘆の声が相次いでいる。

※『双亡亭壊すべし』最終話の内容に触れています

同作は、大正時代から存在する「双亡亭」を舞台として繰り広げられるモダンSFホラー。圧倒的な画力のもと、幽霊屋敷とも称される「双亡亭」をめぐるホラー要素と宇宙まで射程に入れたSFストーリーが入り混じって描き出される。

最終回で描かれたのは、「双亡亭」が崩壊した後のエピローグ的な物語。「双亡亭」を建てた絵描き・坂巻泥努が最期の瞬間を迎えるシーンや、主人公の貧乏絵描き・凧葉務の活躍が描かれることに。最終ページでは凧葉とヒロイン・柘植紅が再会を果たすシーンが、目にも鮮やかなカラーページによって表現された。

見事な大団円に、読者たちは《ガッツリ感情移入してしまった。あんな風にぶつかり合い支え合いながら好きなだけ絵を描けたらなぁと思った》《双亡亭が終わってしまったけど、終わり方として完璧じゃないですかね。美しい》《この結末、このラストシーンは自分的に藤田作品の中でもベスト》《藤田先生の作品の中でかなり好きだったなー双亡亭。坂巻泥努が好きすぎて…良い作品をありがとうございました》《凧葉と泥努の勝負は忘れられないなあ…あんな表現できる方、先生しか居ないんですよ》と大いにわき立っている。

読者大絶賛! 凧葉務と坂巻泥努をめぐる感動の展開

読者からの反響としては、とくに坂巻泥努に対する想いを告白するものが多かった印象。彼は同作の裏主人公のような存在であり、終盤では同じ絵描きである凧葉との感動的なラストバトルが描かれていた。

これまでの流れを振り返ってみても、同作は凧葉によって泥努が救われる物語だったと言える。泥努は他人に評価されることが目的だったにもかかわらず、これまでは徹底して外界との接触を絶っていた。それが凧葉と出会い、筆を交わしたことによって〝絵〟を描くことの楽しさを思い出していく。儚い最期だったが、これまでの人生で最大級に満たされていたことは間違いない。

また、物語のキーワードとして随所に現れてきた「色」を効果的に使ったラストシーンも圧巻。感情をもたないはずの侵略者が人間に感化されたかのような演出は、これまで綴られてきた物語の総決算とも言えるものであり、多くの読者の心を動かしているようだ。

さまざまな考察を生み出しながらも、広げた風呂敷を見事に回収してみせた『双亡亭壊すべし』。全ての作品がヒットしていると言っても過言ではない鬼才・藤田和日郎の次回作に期待したい。

文=城門まもる

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