ジャンプ漫画に咲いた百合…「女同士の絆」で人気を博したレジェンドカップル

ジャンプ漫画に咲いた百合…「女同士の絆」で人気を博したレジェンドカップル

ジャンプ漫画に咲いた百合…「女同士の絆」で人気を博したレジェンドカップル (C)PIXTA

女性同士の強い感情的な結びつきを描いた「百合」は、今や幅広い層から人気を集めている。少年漫画ではあまり見かけないものの、時には砂浜に埋もれた真珠のごとく、貴重な作品が発見されることも。今回は『週刊少年ジャンプ』の歴代作品から、伝説的な百合カップルを掘り起こしてみよう。

そもそも「ジャンプ」漫画はほとんどの場合、主人公が男性でヒロインは女性という構図。男同士のバトルや男女の恋愛がメインとなるため、百合展開はかなり少ない傾向にある。そんな中、歴史を切り開いたのが久保帯人の傑作『BLEACH』だった。

同作で描かれたのは、四楓院夜一×砕蜂(ソイフォン)というレジェンド的な人気カップリング。夜一はかつて護廷十三隊の二番隊隊長であり、砕蜂から〝崇拝〟に近い感情を向けられていた。しかしその後、夜一は尸魂界を離脱することとなり、砕蜂とも離ればなれに。砕蜂は「置いていかれた」と絶望し、強すぎる敬愛の念を憎しみに変える…という何とも切ない関係性だ。

単行本18巻から19巻にかけて2人の過去が描かれると共に、愛憎の入り混じったバトルが展開されるのだが、一連のエピソードは根強い人気を誇る。今では「ジャンプ」の百合について語られる際、必ず『BLEACH』の名があがるようになった。

また、最近大ブレークを果たした芥見下々の『呪術廻戦』では、そんな『BLEACH』の百合遺伝子が色濃く継承されることに。そのカップリングとは、禪院真希・真依の双子姉妹だ。名門呪術師の家系に生まれた2人は、幼い頃から差別的な扱いを受け、寄り添うように生きていた。しかしある時、真希が1人で家を出たことで、「置いていかれた」と感じた真依は強い恨みをこじらせていく。

42話で描かれた2人のバトルでは、真依が「大嫌い」「嘘つき」と自分に言い聞かせるように言い募る場面も。アンビバレンスな感情をぶつける様に、ネット上では《真依のクソデカ感情、あまりにも最高すぎる》《禪院姉妹、こう来るかぁ…尊いなぁ》《砕蜂と夜一みたいで刺さりまくった》と話題沸騰。それ以降、2人の動向に注目する読者が急増することとなった。

ジャンプ最大の百合は“打ち切り作品”

そんな中、「ジャンプ」史上最大の百合漫画となったのが、2018年から2020年まで連載された『アクタージュ act-age』だ。同作は原作・マツキタツヤ、漫画・宇佐崎しろの布陣による「アクターストーリー」。天才的な演技をする主人公・夜凪景の活躍を描いた作品なのだが、百城千世子との関係性が百合として注目を集めた。

直感的な演技スタイルの夜凪に対して、千世子は論理的な演技を得意とする役者。その正反対な特性から、当初は激しく対立するライバル同士だった。しかし、次第にお互いを認め、憧れるようになり、強い精神的繋がりが生まれていく…。役者としてお互いを高め合う2人の姿に、当時は多くの読者が胸を打たれたようだ。

しかし昨年8月、原作のマツキが強制わいせつ容疑によって逮捕されるというまさかの事態が発生。当然ながら「アクタージュ」は連載終了となり、ネット上は《アクタージュ。ジャンプ読んでて初めて百合を感じたので最後までやって欲しかった》《夜凪と千世子はおっもい百合だったのに、もう続きは読めないんだな…》《絶妙なバランスの上質百合漫画だっただけに残念無念》と阿鼻叫喚の有り様となった。

百合とは恋愛だけでなく、友情や敵対関係、そして時には憎悪まで含むような懐の広いジャンルだ。意識して描かれた作品でなくとも、結果として優れた百合が生まれることはあるだろう。今後「ジャンプ」でどのような傑作が生まれるのか、期待していきたい。

文=「まいじつエンタ」編集部

【画像】

SHOTPRIME / PIXTA

【あわせて読みたい】