『ちゃお』に“閲覧注意”の少女漫画が登場!?「青年誌顔負けのディストピア」

『ちゃお』に“閲覧注意”の少女漫画が登場!?「青年誌顔負けのディストピア」

『ちゃお』に“閲覧注意”の少女漫画が登場!?「青年誌顔負けのディストピア」 (C)PIXTA

少女漫画といえば、かわいらしいキャラクターや初々しい恋愛を描くものといったイメージを抱く人が多いかもしれない。だが8月18日、Web漫画サイト『ちゃおコミ』にて世間一般のイメージをひっくり返すような衝撃作が公開され、大きな話題を呼んでいる。

その作品とは、岬かいりによる短編漫画『笑顔の世界』。作中では、小学校5年生の主人公・飢田リカコの目から見た「いじめは必要悪」という考えが浸透した社会が描かれていく。

教室内ではもちろん、学校教諭に対する陰惨ないじめが描かれる他、予想を裏切るようなストーリー展開も見どころ。大多数のためにいじめを受ける弱者が生まれるのは当然…というショッキングなディストピアが描かれており、読者の間では「閲覧注意」の文言が飛び交うほどだ。

同作が掲載された「ちゃおコミ」は、小学生女子向けの月刊漫画雑誌『ちゃお』から派生したWebサイト。つまりこちらも女子児童向けのコンテンツだと思われるのだが、そこでいじめの暴力性を抉り出した作品が掲載されるのは、かなり型破りだと言えるだろう。

度肝を抜かれた読者からは、《これがちゃおってことが1番ホラーだよ》《青年誌顔負けのディストピアですね…》《最後、予想外すぎてすげぇびっくりした…。確かにこれは閲覧注意。ちゃお攻めすぎだろ》といった声が続出。また、作品のクオリティーについて《やられたわ。何もかもが暴力に支配されてて最高。これはホラー漫画といっていいでしょう》《たった14Pですごい切れ味だった。…ちゃおってホラー誌とかSF誌とかでした…?》と絶賛する声も上がっている。

「笑顔の世界」だけじゃない! 尖りまくった少女漫画

「笑顔の世界」ほど暴力的なテーマに正面から向き合った作品は、そう多くはない。しかし実は少女漫画界では、他にも「過激すぎる」と話題の作品が現れたことがある。その作品とは、小中学生の女子がターゲットの月刊誌『なかよし』で連載されていた『秘密のチャイハロ』だ。

物語の舞台となるのは、子ども専用のハローワーク「チャイハロ」。極度の貧困家庭に育った小学4年生の主人公は、大金を掴むためにさまざまな仕事に手を染めていく。この仕事というのがかなりエグイ内容で、少女が大切にしている愛犬の殺処分を命じられたり、仕事に失敗して炎の中に突き落とされたりと波乱万丈。

現代の日本にも通ずる「子どもの貧困」をテーマとしているのだが、大人向けのサスペンス映画と比べても遜色ないほどの過激な描写に満ちている。それほどまでに、現代では貧困が身近でリアリティのあるテーマとなっているのかもしれないが…。

いずれもたんに過激なシーンを描くことが目的ではなく、その奥に深いテーマがあることがハッキリしている。「少女漫画だから」という色眼鏡で捉えるのではなく、新時代を切り拓く意欲作としてチェックしてみてほしい。

文=野木

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Benzoix / PIXTA

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