藤本タツキ『ルックバック』単行本でまたも修正! 読者は「完璧」「良い落とし所」と大絶賛

藤本タツキ『ルックバック』単行本でまたも修正! 読者は「完璧」「良い落とし所」と大絶賛

『ルックバック』(藤本タツキ/集英社)

『チェンソーマン』作者・藤本タツキの新作として話題を呼んだ『ルックバック』の単行本が、9月3日に発売された。センシティブな表現を含むことから一部表現を修正した同作だが、単行本化にあたり再度修正が行われたようだ。

※『ルックバック』の内容に触れています

7月19日に『ジャンプ+』で公開された同作は、クリエイターの生き様を描いた作品。小学生の頃からシナリオ作りの才能を持っていた藤野と、圧倒的に絵が上手い引きこもりの京本が出会い、壮絶な運命の歯車に巻き込まれていくストーリーだ。

圧倒的な〝漫画の上手さ〟はもちろんのこと、2年前に世間を震撼させた「京アニ事件」と向き合うような祈りの側面もあり、多くの読者を感動させることに。骨太の内容が口コミで話題を呼び、公開から約1日で300万PVを突破。現在は580万PVを超える数字となっている。

大多数の読者から高く評価された同作だが、多くの人の目に触れる無料公開であったことから、批判意見も相次いだ。中でも、作中で起こる美術大学を狙った殺人事件の犯人像が「統合失調症患者への偏見を助長する」として非難が殺到。公開から約2週間で、内容の修正を余儀なくされた。

オリジナルの犯人像は「幻聴」「被害妄想」といった特徴があったが、一度目の修正では無差別的な犯行をする「通り魔」という側面が強調されている。

作者の実体験がもとに? 単行本版の犯人像に反響続々

そしてこの度発売された単行本では、作者・藤本の意向によってふたたび修正を実施。修正内容としては、「幻聴」を連想する要素は削られたまま、オリジナルに近い「アイデアをパクられた」と激高する犯人像に変更されている。

一度目の修正は作品の方向性を大きく損なうものだったため、失望する声も多くあがっていた。しかし二度目では問題点をクリアした上で、オリジナル版に沿った内容になっており、ネット上では《単行本の『ルックバック』オリジナルに近いやつに戻ってる! 他のところも修正されてるし、タツキ先生信じて単行本買ってよかった》《割とバランス良い落とし所ではなかろうか》《修正版読んだ時に「こういう修正なら良かったのに」と思った感じになった》《あの雑な修正みたいにはなっていない。完璧、感謝》と称賛されているようだ。

度重なる修正を経たものの、最終的には〝パクリ〟に固執するクリエイターとして描かれた犯人像。実は作者の藤本自身も、前作『チェンソーマン』に対して「アイデア盗用」とネットで粘着されていた過去がある。再修正版は「京アニ事件」を彷彿とさせる一方、藤本の実体験に紐づけられたものだとも言えるかもしれない。

ネット上で公開され、ネットユーザーからのクレームに応じて二度の修正を繰り返した「ルックバック」。まさにネット時代の最先端をゆく作品として、今後も評価されていくことだろう。

文=野木
写真=まいじつエンタ
■『ルックバック』(藤本タツキ/集英社)

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