『ONE PIECE』インペルダウンはユルすぎる? ツッコミどころ満載の大監獄

『ONE PIECE』インペルダウンはユルすぎる? ツッコミどころ満載の大監獄

『ONE PIECE』100巻(尾田栄一郎/集英社)

『ONE PIECE』では海賊と海軍の攻防が日夜繰り広げられているが、海軍に捕まった海賊が行き着く先は監獄「インペルダウン」と決まっている。凶悪な海賊を収監するとあって、常軌を逸する設備が揃えられているのだが、よく観察すると肝心なところで警備のユルさが目立っているようだ。

「インペルダウン」は、地上1階から地下6階までの計7層で構成される大規模な施設。囚人は、まず消毒という名目で100℃の湯に落とされた後、その下にあるフロア「LEVEL1」へと収容される。各フロアから脱出する方法は下層のフロアへと移動する他なく、そこにもさらなる地獄が続いていく。

最初の「LEVEL1」からして、刃物のような草木が生い茂り、毒蜘蛛がうろつく危険地帯。そして危険な猛獣がフロア中を闊歩している「LEVEL2」、食料もなく砂漠のように熱く乾いた「LEVEL3」といった具合に、下へ行くほどより過酷な罰が待ち受ける。どのフロアも囚人にとって最悪の環境と言えるが、実は最下層の「LEVEL6」にはこういった過酷さはない。

凶悪犯ほど警備がザルすぎ? 看守の意識も…

「LEVEL6」にいるのは、凶悪すぎるあまり世間に存在を隠ぺいされている囚人たち。しかしこのフロアには拷問がなく、牢屋の中でただ何もない日々を過ごし続けるだけ。「死にたくなるほどの無限の退屈」を与えるための場所なのだそうだが、牢内は密室・無音・暗闇というわけではなく、他の囚人たちと会話できる状態になっている。

さらに牢獄において最重要とも言えるのが脱獄の難しさだが、実は「LEVEL6」はその点もかなり緩い。実際、ここに辿り着いたルフィや黒ひげは、囚人たちを脱獄させることに成功している。また第956話では、「LEVEL6」に収容されたドンキホーテ・ドフラミンゴが独自ルートで新聞を手に入れている様子も描かれており、もはや警備の質はガバガバと言って差し支えない。

そして、囚人たちが看守の目を盗んで作った楽園「LEVEL5.5番地」が存在していることも、警備のユルさを裏付けている証拠だ。楽園に逃れた囚人は、なぜか看守の間では消えたものとして処理され一切捜索されないので、看守の意識にもかなり問題がある。

そもそも、処刑すべき囚人たちを長々と捕らえておくのも謎の1つ。囚人の人権…という側面は、拷問だらけの監獄がある時点で存在するはずもないだろう。好意的に解釈すれば、囚人には強力な「悪魔の実」を食べている海賊が多いので、能力者が死ぬことで実が復活することを阻止している…と考えられるかもしれない。エースを死刑にした結果、「メラメラの実」が革命軍の手に渡ったことを顧みても、「悪魔の実」の能力者は生き地獄に捕らえておくのがもっとも確実だからだ。

とはいえ、脱獄を防ぐのであれば日頃から過酷な罰を与えておいた方がいいと思うのだが…。「ONE PIECE」世界の治安維持がますます心配になってしまう。

文=野木
写真=まいじつエンタ
■『ONE PIECE』100巻(尾田栄一郎/集英社)

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