ユーチューバー・いけちゃんが虜に! 異常性癖・毒親・共依存を描いた漫画『呪いと性春』

ユーチューバー・いけちゃんが虜に! 異常性癖・毒親・共依存を描いた漫画『呪いと性春』

『呪いと性春 文野紋短編集』(文野紋/小学館) 写真:いけちゃん

『まいじつエンタ』をご覧の皆さま、こんにちは。元祖ぼっち系ユーチューバーのいけちゃんです。今回は、新進気鋭の漫画家・文野紋による『呪いと性春 文野紋短編集』という単行本をご紹介していきます!

“性”と“愛”に揺られる少年少女たち

「呪いと性春 文野紋短編集」は序章を含め、6つのお話から構成されている。その全体に共通しているのは、とにかくエモくて儚い!ということ。基本的には思春期の主人公による不安定な恋愛が描かれるのだが、そこでは異常性癖・毒親・共依存といったさまざまな問題が立ちはだかり、ネガティブで繊細な感情が描写されていく。

私が特に気に入ったのは、「毒は廻る」という短編の内容だ。主人公は、拾ってきた〝おじさん〟をこっそり押し入れで飼っている女の子。その裏には、嫌いな母親への当てつけのような感情がある。

心に刺さるのは、おじさんが既婚者であることを突きつけられるシーン。親との関係が上手くいかない主人公は、2人だけの秘密のつながりを楽しんでいたのだが、おじさんは自分に家族がいることを告白。けれどおじさんは左手の薬指にずっと指輪をしていて、主人公はそこから目を背けていただけだ。口に出せば今の関係が崩れてしまう、そんな儚い駆け引きの上で成立していた愛。

さらに、主人公はそんな告白を受けてもなお、おじさんを嫌いになれず、ずっと自分の支えでいてほしいと願う。その感情はあまりにも純粋すぎて、私からエモい以外の語彙力を奪っていった…。

この短編に限らず、漫画で扱うには重すぎるテーマで満ちているのだが、かわいらしいイラストと鋭い感情描写で引き込まれてしまう。また、どのキャラクターも自分の感情を伝えるのが下手すぎて、もどかしさを覚える。素直に言えばいいのに、自分を上手く取り繕おうとして隠したり、無駄に相手の嫉妬を煽ってしまったり…。むしろ、自分の感情すらよく分かっていない、そんな感じなんだと思う。

『愛する一人に特別愛されたいだけなのに、なんで「おかしい」とか「地雷」とか言われなきゃいけないの?』

これは「神様の心臓」というエピソードの一幕。登場人物が口にしたセリフではなく、心の声の描写だ。その時、彼女が実際に吐き出したのは、「別れよう」という言葉だった。もどかしすぎる。余計なお世話かもしれないが、「自分の気持ち、ちゃんと言いな?」と思ってしまう。

結局この話で描かれた2人は、色々あって共依存であることが分かる。どこまでもダメで不安定な感情の物語だ。だが、そんな漫画だからこそ、惹きつけられてしまう。他の収録作品も軒並みエモーショナルなので、心を揺さぶられたい人はぜひ読んでみていただきたい。

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文:いけちゃん
編:「まいじつエンタ」編集部
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『呪いと性春 文野紋短編集』(文野紋/小学館)

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