『ドカベン』がプロ野球選手に与えた影響…水島新司さんの偉業を振り返る

『ドカベン』がプロ野球選手に与えた影響は…水島新司さんの偉業を振り返る

『ドカベン』がプロ野球選手に与えた影響は…水島新司さんの偉業を振り返る (C)PIXTA

『ドカベン』や『あぶさん』といった名作野球漫画の生みの親・水島新司さんが、1月10日に肺炎のため逝去した。その功績は野球界にも広く知れ渡っており、さまざまな野球関係者が追悼の声を上げている。どれほど大きな影響力があったのか、水島さんの偉大な足跡を振り返ってみよう。

代表作といえる『ドカベン』は、1972年から『週刊少年チャンピオン』で連載が始まった作品。続編も含めると46年にわたって連載が続き、コミックスの累計発行部数は4800万部を記録している。

同作で描かれるのは、捕手の山田太郎を中心とした野球選手たちの熱い闘い。連載が始まった当時、野球漫画では魔球などの超人的な要素が主流となっていたが、水島さんは配球をめぐる騙し合いや人間ドラマに焦点を当てた。

その人気はすさまじく、プロ野球で活躍する選手たちにも影響を与えることに。たとえば現役の選手では、『読売ジャイアンツ』の丸佳浩選手も同作から野球を学んだ1人。彼は小さな頃から大の「ドカベン」ファンで、殿馬一人が得意とする秘打「白鳥の湖」を何度も真似たそうだ。また、岩鬼正美の代名詞でもある「悪球打ち」のホームランにも憧れていたという。

さまざまな才能に受け継がれる「ドカベン」の魂

また、『ボストン・レッドソックス』などで活躍した元メジャーリーガー・松坂大輔も、「ドカベン」に多大な影響を受けている。

松坂選手は水島さんの訃報に接し、ツイッター上で「ドカベン」についての思い出を告白。「プロ野球編」で自身がキャラクターとして登場したことに言及し、「学生時代から読んでいた漫画ドカベンに自分が初めて出た時の喜びは今でも忘れません」とコメントしていた。

また、他のツイートでは「ドカベン」から野球のルールを学んだことや、「明訓高校」の打線をどう抑えるか想像していたことを明かしている。ちなみに好きな作中の選手は、山田太郎のライバルである不知火守らしい。

さらに『シアトル・マリナーズ』などで活躍したイチローの野球道にも、「ドカベン」が関わっている。イチローはどんな球でもヒットにする貪欲なスタイルで知られているが、その根底には“悪球打ち”の岩鬼があるという。

「ドカベン」シリーズは、「大甲子園」「ドカベン プロ野球編」「ドカベン スーパースターズ編」「ドカベン ドリームトーナメント編」と続き、2018年に完結した。総巻数は205巻という野球漫画では類を見ない超大作。その魅力は時代を経ても色褪せることなく、水島さんの野球魂を伝え続けるだろう。

あらためてご冥福をお祈りします。

文=野木

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