『鬼滅の刃・遊郭編』のスゴさは作画じゃない? アニメファンなら分かる本当の価値

『鬼滅の刃・遊郭編』のスゴさは作画じゃない? アニメファンなら分かる本当の価値

『鬼滅の刃』1巻(吾峠呼世晴/集英社)

TVアニメとは思えないクオリティーの高さで、毎週大きな話題を呼んでいる『「鬼滅の刃」遊郭編』(フジテレビ系)。視聴者のほとんどが“作画”のすばらしさだけを褒め称える中、そんな風潮に異論を唱えるアニメファンもいるようだ。

この議論が巻き起こったのは、1月23日に放送された第8話『集結』がきっかけ。同エピソードでは、上弦の陸である堕姫と妓夫太郎を相手として、炭治郎や音柱・宇髄天元たちの激しいバトルシーンが描かれている。

とりわけ宇髄と妓夫太郎の戦闘はかなり細かく描写されており、その攻撃の1つひとつが迫力に満ちていた。「鬼滅の刃」の作画レベルに慣れていた視聴者たちも、今回はいい意味で予想を裏切られたようで、《今回の作画マジでエグない? 映画かよ》《遊郭編8話の作画凄くて何回も見返してる》《無限列車よりも戦闘作画良かったな》《テレビシリーズのクオリティーじゃないわ》と絶賛の言葉が寄せられていた。

しかし、本当にそのクオリティーを“神作画”の一言で済ませてもいいものだろうか。

すごいのは作画ではなく“撮影処理”?

コアなアニメファンが注目しているのは、作画を引き立てている「撮影処理」や「3DCG」のクオリティーだ。第8話の放送終了後、SNSなどでは《撮影処理のクオリティーが最終的な映像クオリティーを底上げしてるので映像クオ凄い=作画凄いというわけではない》《鬼滅の作画って言ってる半分位は撮影の範疇な気がする》といった意見がチラホラ上がっていた。

「撮影処理」とは、カメラの動きやライティングの調整、モーションの緩急などを指すアニメ用語。たとえば技から出る光のエフェクトや、戦うキャラを画面内に収め続ける一連の演出などは、「撮影処理」の領分となるだろう。その一方で「3DCG」は想像がつくと思うが、ド派手な物体の動きやエフェクトなどにも活用されている。

それを踏まえてみれば、第8話はカメラワークやエフェクト、演出によって作画が引き立てられていたことが分かるはず。問題はなぜ「鬼滅の刃」の撮影処理・3DCGが優れているのかいうことだが、これには制作会社「ufotable」の特殊な事情が関わっているようだ。

一般的なアニメ制作現場では、撮影処理と3DCGを担当する部署が分かれているもの。しかし「ufotable」には「デジタル映像部」という部署があり、そのスタッフが両方を兼任できるように育成しているという。

結果として作業効率が向上するだけでなく、表現の引き出しが増え、映像の品質も上がっているそう。そうした視点から、あらためて「ufotable」の作品を見直してみれば、きっと新たな発見を得られるだろう。

文=野木
写真=まいじつエンタ
■『鬼滅の刃』1巻(吾峠呼世晴/集英社)

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