初代『ポケモン』はB級ゲームだった? バグまみれのミュウに152番目のポケモン…

初代『ポケモン』はB級ゲームだった? バグまみれのミュウに152番目のポケモン…

初代『ポケモン』はB級ゲームだった? バグまみれのミュウに152番目のポケモン… (C)PIXTA

今や日本を代表するコンテンツとなっている『ポケットモンスター』シリーズ。その原点となった『ポケットモンスター 赤・緑』は、全世界で3,000万本以上を売り上げた大ヒットタイトルであり、世紀の名作として語り継がれている。

しかし今冷静に振り返ってみると、実は同作は“バグまみれ”のゲームだった。今回はバグのなかでもユニークかつ致命的なものを、いくつかピックアップしてご紹介しよう。

ある意味伝説だった「ミュウ」の存在

「赤・緑」が現役だった当時、子どもたちの間では裏技と称した“バグ技”が広く浸透していた。なかでも有名だったのが、幻のポケモン・ミュウをゲットする方法だ。

もともとミュウはゲーム内で存在が仄めかされていたが、通常のプレイでは出現しない特別なポケモンだった。しかし、実はゲーム内にデータが存在しており、不具合を利用して強引に捕まえる手法が広まることに。

たとえば、手持ちのポケモンをミュウに変身させる、あるいは特定の場所でミュウが“釣り上がる”といった裏技だ。ところがいずれもバグを利用した方法に過ぎないため、データ破損を始めとしたトラブルが多発することになってしまう。

そんなカオスな状況を経て、販売元の「任天堂」と開発元の「ゲームフリーク」はイベントなどでミュウの配布を実施。今では考えられないような顛末だが、まさに“幻のポケモン”の名にふさわしい逸話ではある。

ちなみに幻といえば、「赤・緑」には『けつばん』という名称のポケモンも存在した。本来、同作のポケモンずかんには151種類しか登録されていないが、裏技を使うことによって“152番目”のポケモンが登場するのだ。

レベル127という限界突破した状態で手持ちに加わるのだが、基本的に種族値はきわめて低め。だが、後に発売された「青」で「けつばん」を出した際には、歴代ポケモンでも最強のステータスになることで知られている。

マスターボールがタダで購入できる闇のお店

ところで同作でミュウを出現させるバグなどが発見されたのは、いわゆる“セレクトバグ”がきっかけだった。これは一定の操作を行うことで、本来は呼び起こせないデータの読み込みを可能とするもの。一気にレベルを最大まで上げたり、道具を増殖したりというバグ技が、プレイヤーの間で横行していた。

さらにセレクトバグを使用したものとして有名なのが、「不思議なお店屋さん」の存在だ。このお店には、「ふしぎなアメ」などの貴重なアイテムがずらりと並んでいるうえ、「マスターボール」を0円で入手できてしまうという恐ろしい裏技だった。

また、マップを一気に移動できる「どこでもドア」のようなバグも有名だ。「どこかしらドア」とも呼ばれる技で、バグポケモン「アネ゛デパミ゛」との出会いなどを経て、ライバルの家に行くことで、大幅なショートカットが可能になる。これを上手く活用すれば、異常な速度での殿堂入りも夢ではないという。

ほかにも、「なみのりポカチュウ」を無理やり生み出すことができるなど、「赤・緑」には不条理すぎるバグが数えきれないほど存在した。ある意味同作は、“B級ゲーム”だった唯一の「ポケモン」と言えるのではないだろうか。

文=「まいじつエンタ」編集部

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