日曜劇場『VIVANT』にすべての面で勝利! 中村倫也『ハヤブサ消防団』が“今期ナンバーワン”の覇権ドラマに

中村倫也 

中村倫也 画/彩賀ゆう (C)まいじつ

中村倫也が主演を務める連続ドラマ『ハヤブサ消防団』(テレビ朝日系)第7話が8月31日に放送された。連続放火事件の真犯人が判明し、物語はいよいよ佳境に。ドラマファンの間では、今期の覇権ドラマ『VIVANT』(TBS系)を超えた称する声も多い。

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原作は『半沢直樹』『下町ロケット』などで知られる作家・池井戸潤の同名小説。

崖っぷちのミステリー作家・三馬太郎(中村)が、亡き父の故郷〝ハヤブサ地区〟の消防団に加入したのを機に連続放火騒動に巻き込まれ、さらには住民の不審死など怪事件に遭遇していくミステリードラマだ。

「第7話で、放火事件の犯人が消防団の徳田省吾(岡部たかし)だと判明。だが、太郎やほかの消防団メンバーが犯行問い詰めた翌日、省吾は水死体となって発見された。放火事件は省吾の単独犯行ではなく、他にも多くの要因が絡んでいるようです」(ドラマライター)

関わっているとされるのが、宗教団体「アビゲイル騎士団」。太郎の恋人・彩(川口春奈)は元団員だと判明しているが、まだ教団とつながっている可能性も浮上。事件はただの連続放火事件から、教団の村乗っ取り計画へ移行している。

「サスペンスの中にホラー要素、さらに宗教や過疎市町村の問題を絡めた巧みな構成は、さすが超売れっ子作家・池井戸氏と言うしかない。

キャストは決して派手ではないのですが、生瀬勝久に橋本じゅん、岡部たかし、梶原善に満島真之介など、いわゆるバイブレイヤーとして活躍してきた俳優たちが良い演技をしていて、安心感がある。脚本・演出・キャスティング、どれをとってもスキがないドラマです」(同・ライター)

池井戸潤抜きでは名作を作ることができない?

『ハヤブサ消防団』の評価が上がるのに比例して、評価を落としているのが日曜劇場『VIVANT』だ。

堺雅人、阿部寛、二階堂ふみ、役所広司、二宮和也、松坂桃李という超豪華キャストで、脚本・演出はドラマ版の『半沢直樹』『下町ロケット』など、多くの日曜劇場作品を手掛けた福澤克雄氏だが、思ったほど結果が出ていない。

「『VIVANT』の問題はまず脚本。ここ10年で福澤氏が撮った日曜劇場のヒット作は、そのほとんどが池井戸氏の小説を実写化したもの。

今回は〝脱・池井戸潤〟として福澤氏がストーリー原作を手掛けたのですが、ツッコミどころがありすぎる。日曜劇場らしい迫力ある演出で誤魔化しているだけです。

SNSで話題になっている伏線も『ONE PIECE』レベル。そもそも全10話そこそこのドラマなんて、初回の時点で最終回までの脚本がある程度できているので、伏線を張ろうと思えばいくらでも張れる」(芸能ライター)

『VIVANT』はキャスティングに関しても、疑問が残るという。

「物語のキーとなる天才ハッカー役に新人女優・飯沼愛を起用しましたが、これが大失敗。彼女がメインの回はあまりにも演技が浮いていて、ドラマの価値を下げました。演技については、周りがどれだけ頑張ってもフォローのしようがないですからね。

飯沼はTBSテレビの女優発掘・育成オーディション『TBSスター育成プロジェクト 私が女優になる日』で1位を獲得しましたが、この番組の演出を手掛けていたのが福澤氏。いわば福澤氏は、自分のお気に入りを自分の制作するドラマにねじ込んで、自らドラマを破壊したというわけです」(同・ライター)

日曜劇場ではなく、池井戸潤が凄かっただけなのだろうか。

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