政治家はもはや不要?成田悠輔氏が語る、AIが変える政治の未来「選挙に行かない人たちの民意をどう抽出するかが大事」

経済学者の成田悠輔氏が、YouTubeチャンネル『ABEMAニュース』のコーナー『NewsBAR橋下』に出演。3月25日に公開した動画で、政治にAIが取り入れられるようになった将来、選挙や政治家、政党、有権者に起こる変化を推測した。

『NewsBAR橋下』は元大阪府知事で弁護士の橋下徹氏が政治家らと討論する番組。成田氏は慶應義塾大学医学部の宮田裕章教授とともにゲスト出演した。

成田氏は政治のAI利用について「無駄で別に生身の人間がやらなくてもいいようなものっていうのをAI化していくっていうのは、もうすでに起きてるし、どんどん起きていくんじゃないかな」と語った。実際に石川県知事の馳浩氏を用いた、生成AIによる広報キャラクター『デジヒロシ』が石川県を毎日PRするという取組みを行っている。

そして「(AIではなく)人間しか果たせない役割をちゃんと政治家が果たしてるか自体を、有権者が審判するというのが本当は必要なんじゃないかと思うんですよ。これまでだともう政治家の数っていうのは決まってて、誰を選ぶかだけだったじゃないですか。でも今後はその政治家のポスト自体が必要なのかっていうことをみんなが判断する時代になっていくのかな」と未来を見据えた。

成田氏はデンマークやフィンランドで実際にAIを活用する政党ができ始めたとし、「彼らはインターネット上にあるいろんな人の声から、その民意を自動抽出するみたいなことやろうとしてるんです」と説明。「特に重要なのが、選挙を通じて民意を取ろうとすると選挙に来た人の民意しか抽出できない。でもだいたい、日本でも他の国でも数十%の人がもう選挙、行かなくなってるわけです。彼らの民意をどういうふうに抽出するかが大事」とAIが政治で果たすべき役割は大きいと強調。デンマークのAIを活用する政党の事例として、「選挙に行かない20%の声を選挙外のデータを使って抽出して、それを政治に反映させるっていうミッションで動き始めている」と紹介した。

視聴者は「避けては通れないAIの事等少しは理解出来ました」などと反応。「今のAIに社会任せるのはまだ時期尚早」と、AIの政治への介入に否定的なコメントも見られた。

参考:YouTubeチャンネル『ABEMAニュース【公式】』

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