名古屋版『翔んで埼玉』!? ジャンプ+『名古屋以外全部壊滅』のローカルネタに不満の声も…

名古屋版『翔んで埼玉』!? ジャンプ+『名古屋以外全部壊滅』のローカルネタに不満の声も…

名古屋版『翔んで埼玉』!? ジャンプ+『名古屋以外全部壊滅』のローカルネタに不満の声も… (C)PIXTA

異色の漫画を次々と世に送り出す集英社の『少年ジャンプ+』。5月9日に公開された読み切り『名古屋以外全部壊滅』は、これでもかと県民ネタをぶち込んだ作風によって話題を呼んでいる。しかし、そこで一部の大阪人は微妙な反応を示しているようだ。

異色の読切で名古屋愛が炸裂?

物語は天変地異により、世紀末の日本で名古屋以外がすべて壊滅するシーンから幕を開ける。名古屋以外の勢力が一気に弱ったのをいいことに、名古屋人は暴虐の限りを尽くす。これを倒すべく、戦闘民族・広島県民の生き残りである1人の男が立ち上がる──というストーリーだ。

悪に染まった名古屋人の振る舞いは、地元ネタの宝庫。ルール無視の危険運転「名古屋走り」で車を乗り回す姿や、「中日ドラゴンズ」や「味噌」など名古屋お馴染みのワードも連発。さらには東京・大阪への恨みつらみなど、名古屋出身だという作者・藤山佑のゆがんだ愛情が散りばめられていた。

ニッチなネタのオンパレードは、《名古屋以外全部壊滅、偏見極まってるところが面白くて笑っちゃった》《久しぶりにアホなマンガ見たな!(笑)》《コテコテの名古屋漫画だったw 》《おもしろすぎて昨日から何回も読んでる。ダギャダギャダギャって笑い方しぬ》《翔んで埼玉に並ぶ名作が誕生した》と大好評。ツイッター上でトレンド1位に輝くほどの話題を呼んだ。

大阪人からの手厳しいツッコミ

同作の舞台は名古屋人が侵攻してきた“大阪”だったため、大阪関連の話も豊富。語尾に「知らんけど」をつけたり、「阪神タイガース」を敬愛したりと、大阪人ネタもふんだんに盛り込まれていた。

しかしそこで、大阪人にはスルーできないツッコミどころがあった模様。槍玉にあがったのは、大阪のテーマパーク「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン」の略称だ。

作中の大阪人は「USJ」と言っていたが、実際の大阪人にとっては「ユニバ」が正統な略称とのこと。どうでもいいことのように思えるが、意外に重要な違いだったらしく、《USJちゃうやろユニバやろがい!》《大阪人はUSJじゃなくてユニバやろ…ってツッコミ待ちなん? 知らんけど》とネタにされている。

また、「阪神タイガース」の矢野燿大監督によるサイン色紙が、名古屋人によって破かれてしまうシーンもあるのだが、ここにもツッコミが。矢野監督は現役時代、名古屋人が愛する「中日ドラゴンズ」で活躍した選手だった。そのため、《何年も中日にいた矢野をそうも嫌わん》《俺ぐらいの名古屋人ならば阪神の矢野監督はまだ心のどこかでドラゴンズにいる感じがするのでサインは絶対に破かないなぁ》と納得できない野球ファンもいるという。

ちなみに同作の作者は、『週刊少年ジャンプ』で連載中の『僕とロボコ』でアシスタントを務めているそう。「僕とロボコ」はジャンプネタのパロディーが中心となっているが、ほとんどツッコミを受けたことがないクオリティー。この読み切りの反響を糧に、同じ高みまで上り詰めてほしい。

文=野木

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