『ザ・ノンフィクション』家具職人の丁稚制度に賛否「可哀想で見てられない」

(C)Roquillo Tebar / Shutterstock 

3月6日のドキュメンタリー番組『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ系)は、「ボクらの丁稚物語2022 ~涙の迷い道と別れ道~」の後編を放送。〝丁稚制度〟を取り入れている家具製造会社『秋山木工』で働く若者たちの姿を追ったが、ネット上で物議を醸している。

「秋山木工」の丁稚奉公は8年間で、見習い1年、丁稚4年、職人3年。職人になれば一流ホテル、有名ブランドの一点物の家具を注文されるようになるという。若者たちは奉公中に腕を磨いており、『技能五輪全国大会』のメダル常連。2月27日に放送された前編では、時代に逆行する丁稚制度に驚く視聴者が続出し、《完全なブラック会社》とネット上で非難の声が上がっていた。

続く今回の放送では、事前の技能五輪テストで合格点を貰っていた佐藤伸吾さんが、大会に出場させて貰えず退職する様子が放送された。

「『技能五輪全国大会』の神奈川県代表に、『秋山木工』から佐藤さんの名前が挙がっていました。しかし、先輩たちから指摘されていた生活態度を改善することができず、秋山社長は全国大会への出場をとりやめに。また、他にも新入社員が仕事に必要なそろばん3級を入社前にクリアできず、入社後3カ月でようやく挑戦しましたが不合格。自ら退社する道を選びました。この様子にネット上からは《パソコン使えばいいのに》といったツッコミが殺到しています」(テレビ誌ライター)

家具職人の丁稚制度に賛否の声…

そんな若者たちの姿を見た視聴者からは、「秋山木工」に対し、

《もう令和なのに昭和の企業見てるみたい》
《若い子たちがかわいそうで見てられないわ。いくら職人の世界が厳しいとはいえ、スマホも持てない、丸刈りにしなきゃいけないし、おまけに8年も修業しなきゃいけないなんて》
《何のオチもなく、若手を育成できない教育システムということしかわからなかった》
《こういう丁稚制度が、果たして令和時代に耐えられるのか。確かに厳しい世界だが、会社の将来を担う若者の気持ちを汲んであげられない組織は、いずれ消滅する》
《ノンフィクションの丁稚の話、時代錯誤甚だしいし、こういうものを美談にしてほしくはないな》

といった疑問の声があがっている。しかし一方で、

《1人前の家具職人になるには本当に超厳しい世界だなぁと、思ったのと、そこに挑戦している子たちが皆、尊くて本当素晴らしいと思ってしまう》
《ものづくりは 手作業から合理化機械の時代。職人の世界が現代の一般人に理解できないのは無理もない》
《「職人」を短期間で育成する場所って考えるなら、普通から見たら理不尽なことでもしないと無理なんだろうなぁ。特に自分が他者の評価で成り立ってることを理解できんだろうし…》
《社長は言い方は厳しいけど間違ったことは言ってないのよね》
《一人前に育てるの凄く大変だと思う。本来、利益追求する場である会社で、ここまで指導してくれるのはありがたいことだよね》

など、ありのままを公開した『秋山木工』を擁護する声も少なくない。

2週にわたって放送された丁稚物語。時代錯誤のようなルールに驚く視聴者も多いようだが、職人の道はそれほどに厳しいということなのだろう。

【あわせて読みたい】