実写版『xxxHOLiC』原作無視のオンパレード!「残念感でモヤモヤ」

神木隆之介 

神木隆之介 (C)まいじつ 

4月29日から、全国の劇場で蜷川実花が監督を務める映画『ホリック xxxHOLiC』の公開が始まった。好調な滑り出しを見せているものの、劇場に足を運んだ原作ファンからは落胆の声が相次いでいるようだ。

蜷川の作品といえば、花を使用した画作りや鮮やかな色使いが印象的。2019年7月に公開された映画『Diner ダイナー』では、ごく普通の女性という設定のヒロインに俳優の玉城ティナを据え、原作小説にはないエッセンスを加え、全く新しい作品に仕上げていた。

その手腕は映画「xxxHOLiC」でも発揮されており、俳優の磯村勇斗が演じる原作にいないオリジナルキャラクター・アカグモが登場。物語の本筋にはあまり関係しないのだが、神木隆之介が演じる主人公・四月一日君尋に抱きつくなど、妖艶な雰囲気を醸している。

他にも、原作では永遠の少女として登場するマルダシとモロダシに、成人女性をキャスティング。蜷川の紡ぐ世界観には合っているかもしれないが、原作ファンの中には納得がいかないという人も多いようだ。

蜷川実花の演出にブーイングも…

とはいえ、4月30日から5月1日の『国内映画ランキング』(興行通信社調べ)では、初登場で5位にランクイン。映画から「xxxHOLiC」の世界を知った人からは、

《もっと理解し難い作品かと思っていたけれど、いい意味で予想外でした》
《やはり蜷川さんの作品はとても美しい》

などの絶賛の声が寄せられており、評判も上々のようだ。その一方で原作のファンからは、

《蜷川実花、ヘルタースケルターが良かったから期待してたけどこんなん? 神木くんの演技がなかったらと思うとゾッとする。繰り返す演出がしつこくてイライラした。残念》
《これは原作ファン怒るだろう。そのキャラそんな事言わない。CLAMP先生なら、そんな設定に絶対しない》
《神木君や柴咲さん、北斗君の演技はよかったし、美術もそれなりに美しかった、が、なんかイマイチ。会話も展開も真面目過ぎるし、それもよく分からなくなってくる。残念感でモヤモヤ》
《時間潰しで見たが想像以上に駄作でお金、時間の無駄だった。映像美どこよ?》
《原作はもちろん、アニメ版舞台版と評判が良い作品ですが、実写映像になった途端に作品にチープさ下品さが出るのは何故なんでしょう》

などの批判が殺到。原作のストーリーをなぞっていたとはいえ、蜷川ワールド全開の同作についていけなかった人も多いのだろう。

これまでの蜷川監督の作品に比べても、全体的に舞台のような華やかな映像が多かった映画「xxxHOLiC」。原作ファンには気の毒だが、蜷川にとって自身の表現したいことを具現化できる都合のいい作品でしかなかったのかもしれない。

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