またドラマに同性愛者! 1作品1人の“ノルマ化”で大きな弊害が…

奈緒 

奈緒 画/彩賀ゆう (C)まいじつ 

11月2日、奈緒が主演のドラマ『ファーストペンギン!』(日本テレビ系)の第5話が放送された。LGBTQ要素をブッコんで呆れ声があがっている。

家なし、金なし、仕事なし――。人生崖っぷちのシングルマザー・岩崎和佳(奈緒)は、5歳の1人息子・進(石塚陸翔)を連れ、寂れた港町・汐ヶ崎に移り住んでくる。

そこで漁師の片岡洋(堤真一)と出会い、漁業の世界の改革に乗り出す。数多くのメディアでも取り上げられた坪内知佳氏の実話をもとに描く、リアルサクセスストーリーだ。

第5話では、これまで和佳をサポートしてくれていた琴平祐介(渡辺大知)が汐ヶ崎にやってくる。

実は祐介、片岡の亡くなった妻・みやこ(中越典子)の連れ子であり、幼い頃から片岡の〝自慢の息子〟として可愛がられてきたという。

父子の関係にヒビが入ったのは、祐介の高校時代。みやこが病死したこともあり、医者を志すようになった祐介は、家計を気遣って母方の実家・琴平家の養子となることを条件に、祖父母から医学部の学費を出してもらうことを決断。

しかし、そのことを知った片岡は激怒し、絶縁に至ったのだ。

そういう経緯があったため、久しぶりの再会となった片岡と祐介。しばらく話す内にわだかまりが解けると、片岡は祐介と和佳がイイ感じのため、結婚するように後押しする。

すると祐介は、自身の恋愛対象が男性だとカミングアウト。片岡は驚いて拒絶し、また祐介と距離ができてしまうのだった…。

LGBTQ役をドラマに出す安易さ

「最近のドラマは、1作品に1人はLGBTQの人間が登場します。まるでノルマのようですね。多様性の時代なのは間違いないですが、物語にこの要素が絡んでくる必要のない場合もあり、無理やり登場させるとブーイングが殺到するのがお決まりに。この展開に、すっかり視聴者は萎えています」(テレビ誌記者)

LGBTQ役を出すのは、2つの大きな問題があるという。

「動画ストリーミングサービスの普及と発展によって、映画とドラマの立ち位置が変わった昨今。映画と同じように、ドラマもお金を使って現代のイシューを打ち出す作品が多くなりました。そのため、最近のドラマはこぞって世界的なトレンドになっているLGBTQを入れるのでしょう。しかし、この手法はやりつくされているため、あまりにも安易。カレンダーで時間経過を現すくらい、LGBTQを出して現代感を現すのは平凡。単純に、LGBTQを出すことでしか、現代を表現できないほど発想力が乏しいと感じてしまいます」(同・記者)

そしてもう一つの問題は、LGBTQ役を出すことでストーリーがテンプレ化する点だという。

「LGBTQをカミングアウトした人には、変わらず自然に接して、その性質を受け入れるべき…これが今の世界の流れであり、LGBTQの人に対する〝正解〟の対応とされています。そのため、すべてのドラマは、なんだかんだあっても、結局この〝正解〟に行きつく。全部同じストーリーをとたどるし、その〝正解〟をすでに視聴者は知っている。オチが見えている物語ほどつまらないものはありません」(同)

物語の本質に関係のないLGBTQ役を作品に出すのは、ある意味で逃げの姿勢とも言えそうだ。

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