同じ恋愛ドラマなのに…『真夏のシンデレラ』よりも『向井くん』の視聴者人気が高いワケ

真夏のシンデレラ 

真夏のシンデレラ 画/彩賀ゆう  (C)まいじつ

今期の夏ドラマの中で、『こっち向いてよ向井くん』(日本テレビ系)と『真夏のシンデレラ』(フジテレビ系)のネット実況が盛り上がっている。

共通点の多い2作品だが、圧倒的に「向井くん」の方が視聴者人気は高いようだ。

両作品のテーマは主人公を取り巻く恋愛。「向井くん」は10年ぶりに恋をしようと奔走する主人公・向井悟(赤楚衛二)と、周囲の女性たちの恋愛模様を描いたラブコメディー。

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「真夏のシンデレラ」は真夏の海を舞台に、主人公・蒼井夏海(森七菜)をはじめとする男女8人のラブストーリーを描いた恋愛群像劇だ。

どちらの作品も男女の立ち位置について言及しており、「真夏のシンデレラ」ではかねてより〝女は男が守るもの〟という価値観が提唱されてきた。

一方「向井くん」はその逆で、第1話では〝女は男が守るもの〟と思い込んでいた向井を恋の相談相手である坂井戸洸稀(波瑠)が一刀両断。「私は守りたいなんて言われたら、見下されてんな~って思っちゃいます」と指摘し、考え方を改めさせている。

どちらのドラマも最新話が放送されるたび、ネット掲示板に1000件以上の実況コメントが寄せられる。その理由は単純で、登場人物にツッコミどころが多いから。

たとえば「向井くん」には、勘違いさせ女やあざと女子など〝主人公を翻弄する女性キャラ〟が毎回登場。対して「真夏のシンデレラ」には人妻に心揺れる男性や、子どもがいながら男性と肉体関係を持つシングルマザーなど、とにかくツッコみたくなるキャラが登場する。

演技もオチのつけ方もうまい『向井くん』

ではなぜこれだけ共通点が多いのにもかかわらず、視聴者人気は「向井くん」に軍配が上がっているのだろうか。理由は主に2つ考えられる。

まず1つ目は、物語の軸。主人公を中心に物語が進んでいく「向井くん」に対し、「真夏のシンデレラ」は友人たちの恋愛も並行して進んでいく。目まぐるしく視点が移り変わるため、視聴者もなかなか感情移入しづらいのだろう。

2つ目は演技力。「真夏のシンデレラ」は脚本のせいか、主演の森と間宮祥太朗が棒演技をさく裂させている。特に話題になったのが、8月7日放送の第5話だ。

健人(間宮)が夏海に告白するシーンが描かれたが、告白よりもその前後の森と間宮の絶妙な演技のヘタさが話題になっていた。

その点、「向井くん」はキャスト陣の演技は好評で、イライラする展開もそれほど多くない。物語がひと区切りつくときは決まって、女性視点で向井くんはどう見えていたのか答え合わせがあるため、見終わった後にスッキリとした気持ちにさせてくれるのだ。

物語もいよいよ折り返し地点。評価が大きく異なる2つの作品は、クライマックスに向けてどのように舵を切るのだろうか。

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