今年2月にリリースされたばかりのスマホアプリゲーム『ヘブンバーンズレッド』が、『App Store』のセールスランキングで1位を獲得。1周年を迎えた『ウマ娘 プリティーダービー』を超えてしまい、次世代の“覇権ゲーム”などとも言われている。
『ヘブバン』が新しい覇権ゲームに!?
「ヘブンバーンズレッド」(ヘブバン)は、『Key』と『Wright Flyer Studios』が共同で開発したドラマチックRPG。メインシナリオ・原案を手掛けるのは『CLANNAD』や『リトルバスターズ!』など数多くの名作を生み出してきた麻枝准で、そのシナリオが往年の「Key」ファンに刺さっているようだ。
多少客層がニッチだと思われるため、そこまでの躍進は予想されていなかったが、いざリリースされてみれば大ヒット。1周年アニバーサリー真っ最中の「ウマ娘」など、かなり激戦の時期だったにもかかわらず、セルラン1位を達成した。
この快挙にSNSなどでは、《1周年のウマ娘抑えてセルラン1位取るヘブバンやばいやろ》《セルラン1位凄い!!! おめでとうございます》《ウマ娘を差し置いてヘブバンがセルラン1位!?》《ヘブバンまじで覇権ゲーやな》といった声が続出している。
ちなみに麻枝准も自身のツイッターで、《こんな日が来るとは思いもしなかったです》などと喜びを露わに。またゲーム内ではセルラン1位を記念するガチャ10連分の石(クォーツ)が配布されており、制作サイドにとっても小躍りするような朗報だったようだ。
セルラン1位…!? こんな日が来るとは思いもしなかったです これからも本プロジェクトが長く続くよう身を粉にしてシナリオと曲を書き続けます
— 麻枝 准 (@jun_lowguy) February 28, 2022
「ウマ娘」を超えた理由は?
一時的とはいえ、「ヘブバン」が「ウマ娘」を超えた要因はどこにあるのだろうか。当然「ウマ娘」は1周年を記念して数多くのキャンペーンを打ち出しており、このタイミングで待望の「キタサンブラック」が、新しい育成可能なウマ娘として実装された。まさに約束された勝利と言えるほど、盤石な体制だったように思える。
その一方で「ヘブバン」は、2月28日にメインストーリー『第3章』を解禁。シナリオを原動力とする同ゲームにおいて大きなブーストとなったことは間違いないが、勝因はそれだけではなさそうだ。
というのも今回『第3章』の解禁と同時に、新規SSRキャラクターとSSR実装済みキャラの“別衣装”を、ダブルピックアップガチャとしてリリース。同ゲームでは「斬」「突」「打」といった3つの武器属性があるのだが、これまで実装されてきたキャラクターの中で、“打属性”を持つSSRキャラはたったの3人。そのため「打のSSRを持っていない」というユーザーも少なくなかった。
そんな中、ダブルピックアップガチャで実装された2体のSSRキャラは、どちらも打属性。細かいところだが、運営の“商売の上手さ”がうかがえる。
さらに1回限定のSSR確定ガチャも実装することで、いわゆる“微課金”と呼ばれるユーザー層もターゲットに。幅広く課金の受け皿を用意したことが、セルラン1位に繋がったのだろう。
このまま国内の覇権ゲームは、「ウマ娘」から「ヘブバン」に移り変わるのだろうか。今後の展開を見守りたい。
文=大上賢一
【画像】
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