鬼の副長・土方歳三もついに…『ゴールデンカムイ』308話に「どこまでもクソかっこいい」

鬼の副長・土方歳三もついに…『ゴールデンカムイ』308話に「どこまでもクソかっこいい」

『ゴールデンカムイ』28巻(野田サトル/集英社)

3月10日発売の『週刊ヤングジャンプ』15号に、大人気サバイバルバトル漫画『ゴールデンカムイ』の第308話『似た者同士』が掲載された。作中では元「新選組」鬼の副長・土方歳三にショッキングな出来事が起こり、読者たちに衝撃が走っている。

※『ゴールデンカムイ』最新話の内容に触れています

第七師団の鯉登少尉から強烈な一撃を受け、致命傷を負った土方。最後の力を振り絞りながら杉元佐一やアシリパのいる車両に移り、そこで暴れていたクマに大ダメージを与える。

薄れゆく意識の中、土方は「新選組」時代にタイムスリップしたような幻影を見ていた。とうとう力が尽きかけたのか、若かりし頃の自分が離れていくのだが、なぜかその姿が杉元と重なっていく。そして現実に戻った土方は、杉元に自らの刀を託すのだった。

その後、駆け付けた永倉新八に支えられながら、最後まで暴れられなかった無念を口にすると、ドラマチックな人生の幕が閉じる…。

前回の牛山辰馬に続き、ついに物語の中核を担う土方すらも最期を迎えることに。杉元に思いを託す姿や最後のセリフは涙なしには見られないもので、ネット上では《美しかったな 最後まで爽やかニシパだったけどガキくさく「これからもっと楽しくなると思ったのに」「悔しいな」と感じて死ぬのが金カム土方らしくて良かったなあと思う》《金カム土方さんの最期にしんみりしてんだよ、もう。どこまでもクソかっこいいジジィだぜ、最後まで》《土方歳三が1番カッコいいと最期を見届けた今確信する》《土方歳三の生存ifは金カム以外もう私には受け入れられないかもしれない こんなに気高く生き抜いた土方歳三をみんな絶対忘れないよ…》と悲しみの声が続出している。

未来を見据える土方歳三

現実の土方は「箱館戦争」にて、函館にある「一本木関門」を死守した際に35歳という若さで亡くなっている。その一方、同作における土方は「箱館戦争」では死なず、秘密裏に生き延びていたという設定。最終局面では舞台が箱館になったため、現実と同じように「一本木関門」で命を落とすと予想されていたが、意外性のある結末を迎えた。

なお、死に際の土方は「悔しい」と口にしていたが、その表情は驚くほどに穏やかだった。かつて永倉から「死に場所を求めている」と分析されたこともあったが、ようやく“亡霊”が安らかな眠りに就いたということだろうか。

とはいえ土方は置き土産として、杉元に対して未来への想いを預けていった。「悔しい」という言葉も嘘ではなく、その目はしっかりと“未来”を見据えていたのだろう。あるいは杉元が存在したからこそ、最期は穏やかな気持ちで旅立てたのかもしれない。

これまで幾度となく作中で活躍してきた土方の最期。その想いを受け継いだ杉元は、どのように歴史を動かすのだろうか…。

文=大獄貴司
写真=まいじつエンタ