『週刊少年サンデー』を代表する漫画家・福地翼の新連載『GOLDEN SPIRAL』が、4月13日に発売された20号からスタート。しかしその内容があまりにも『進撃の巨人』に似ているとして、読者たちをざわつかせているようだ。
ヒットメーカーの新たな挑戦
福地といえば、アニメ化もされた『うえきの法則』をはじめとして、多数のヒット作を書き上げてきた人気漫画家。そんな彼の最新作「GOLDEN SPIRAL」は、近未来を舞台としたSFファンタジー作品だ。
「GOLDEN SPIRAL」第1話 すりばちの国
こちらで1話目が無料で読めますのでよかったらどうぞ#サンデーうぇぶりhttps://t.co/Ooe9jX5nka
— 福地翼@GOLDENSPIRAL (@fukuchi_tsubasa) April 14, 2022
海面上昇によって住む場所が少なくなった世界で、人類はわずかな土地を壁で囲い、「すりばちの国」を作ることで生き延びていた。そこで主人公の青年・ザビは、自由を求めて「外の世界」(ユートピー)を目指す…というストーリーだ。第1話では、世界観やザビのキャラクター性、謎めいた人物との出会いなどが描かれている。
しかし一部の読者は、『進撃の巨人』との類似点が気になってしまった模様。ネット上では《序盤の「進撃の巨人」と似てるのが気になった》《GOLDEN SPIRAL、進撃の巨人じゃん…進撃の巨人じゃんッ!!! 何でもかんでも壁で囲まれた閉鎖空間作品を巨人呼ばわりするもんじゃないと思うけど、これは…》といった声が上がっていた。
壁に囲まれた中世風の街
とくに『進撃の巨人』との類似性を指摘する声が多かったのは、冒頭のカラーページ。そこでは、町を取り囲む“巨大な壁”に大津波が押し寄せるシーンが描かれていた。主人公はその様を見守るが、市井の人々はみんな絶望の表情を浮かべている。
その一方、「進撃の巨人」1話でも、巨大な壁から人類の驚異である巨人が顔を覗かせ、絶望に包まれる展開が描かれていた。巨人と津波を置き換えただけで、似たようなシーンと言えるかもしれない。
また、「すりばちの国」の街並みが中世風の石造りであることや、食料生産が追い付かず、特権階級のみが充分に食べられる点。主人公がそんな世界を変えるため、“壁の外”を目指すという展開も一致している。
ちなみに福地は自身のツイッター上で、『進撃の巨人』について何度も感想をツイートしたことがあり、同作の大ファンであることがうかがえる。おそらく、『GOLDEN SPIRAL』の設定に多少なり影響を与えていることは間違いないだろう。
進撃の巨人プロトタイプネーム。これ読むと実際の1話2話がどれだけブラッシュアップされてたかがよくわかる。『情報を出す順番』の重要性よな。 pic.twitter.com/0dMJ3fnR5z
— 福地翼@GOLDENSPIRAL (@fukuchi_tsubasa) June 17, 2021
あらゆる設定が出尽くした現在の漫画業界において、完全なオリジナルを作るのは難しいこと。“似たような設定”を昇華することでこそ名作が生まれるものなので、作者は気にせずに自分の道を突き進んでほしい。
文=Tら
【画像】
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