知床観光船事故にコンサル会社の影…社長の武勇伝がメディアから削除されていた

(C)Jihan Nafiaa Zahri / Shutterstock

北海道・知床半島沖で乗員乗客26人を乗せた観光船『KAZU I』が浸水した事故が、さらなる波紋を広げている。

観光船を所有する『知床遊覧船』社の元船員によると、桂田清一社長は「海のことは知らない」というまったくの素人で、船のメンテナンスにかかる維持費を出し惜しみし、ベテランの船長や甲板員を次々に解雇。それでも資金繰りに苦労していたという。

桂田社長は、もともと地元で議員活動をしていた父親の跡を継いでホテル経営をしていたが、同社を買い取り、その際にコンサルを依頼したのが、コンサルタント事業などを手掛ける企業の社長・K氏だった。K氏は桂田社長に〝コストカット〟と〝買収〟による素人経営を伝授しており、「赤字の会社があっというまに黒字に変わった」などと武勇伝をネットメディア『ダイアモンド・オンライン』で語っていた。しかしなぜか今になって、記事がひっそりと削除されている。

「記事によるとK氏は2017年夏に知床を訪れ、突然ホテル経営を任されたばかりの桂田社長にアドバイスしています。知床観光船が売り出されたときは『値切ってはダメ! 言い値で買いなさい』と指導したと語っています。桂田社長は、K氏のアドバイスに対して、『はい』『YES』『喜んで』とすぐに実行したといい、それまで赤字だった会社が黒字になったのは、K氏の徹底的なコストカットを実戦したからでしょう。桂田社長がベテラン船長を全員解雇したのも、なんらかのアドバイスがあったかもしれませんね」(ネットニュースサイト編集者)

K氏のコンサル内容に驚愕…

一方、ネット上ではK氏のコンサルを受けたというツイッター民が《素手でトイレ掃除したり、スーパーハッピーとか絶叫して朝礼したり、環境整備という床這いつくばってホコリ1つ残らず掃除したり、名刺交換研修とやらで合格貰うには号泣するとか笑っちゃう位のブラックになって辞めたわ》と体験談を暴露した。

これに対し、ネット上では

《いい歳したオッサンや婆さんが号泣しながら洗脳されてる様子を想像しただけで絵面が汚い》
《号泣しないと合格貰えないって、ほかの企業でもそんなことあったなぁと勝手に思い出しちゃいました。本当に擁護できないレベルですね》
《安全を切り売りしてコンサルに貢いでたのか。そりゃベテラン社員も解雇されるわな》
《倫理法人会みたいなルールだな》
《従業員の話は一切聞かないくせに、わざわざ高い金払ってでもコンサルの話は聞くんだな。しょーもないなぁ》
《コンサルに頼る時点で社長に経営判断能力がない証拠。起こるべくして起きた事故といっていいだろう》

など、厳しい指摘が寄せられている。

嬉々として語っていたK氏の武勇伝が削除された理由が気になるところだ。

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