『呪術廻戦』虎杖悠仁の出番が半年ナシ…存在感が薄れる主人公に残された道は?

『呪術廻戦』虎杖悠仁の出番が半年ナシ…存在感が薄れる主人公に残された道は?

『呪術廻戦』19巻(芥見下々/集英社)

『週刊少年ジャンプ』で連載中の人気漫画『呪術廻戦』。現在も魅力的なキャラクターたちがスリル満点のバトルを繰り広げているが、最近は主人公・虎杖悠仁の出番が激減している。読者の間では、“パワーインフレ”からの脱落を心配する声も上がっているようだ…。

※『呪術廻戦』最新話までの内容に触れています

ここ最近の「呪術廻戦」を振り返ってみよう。羂索に封印された五条悟を救うため、「呪術高専」の学生はデスゲーム「死滅回游」に参加。虎杖や伏黒恵のほか、乙骨憂太や秤金次などの先輩組も参戦し、各地で戦いを繰り広げている。

その中で、乙骨・秤はチート級の強さを読者に知らしめることに。まず乙骨は前日譚に当たる『呪術廻戦 0』以来、久しぶりのバトルシーンとなり、仙台結界(コロニー)にて大暴れ。圧倒的な力によって、猛者ぞろいの4つ巴の混戦をたった1人で制圧してみせた。

その一方、東京第2結界(コロニー)では、秤がついに自身の領域展開を披露。こちらもシャルル・ベルナール、鹿紫雲一との連戦となり、窮地のパンダを救い出すといったヒーローのような見せ場もある。

しかし主人公であるはずの虎杖は、弁護士術師・日車寛見との戦いを終えた第167話『東京第1結界(7)』以降、ほとんど出番がない。この話が掲載されたのは2021年12月上旬なので、半年以上も出番がないことになる。

あまりに影が薄いため、読者からは《最近虎杖空気すぎん? どう見ても秤と乙骨が主人公すぎる》《虎杖以外のキャラが立ちすぎてて虎杖の存在感がヤバい》《虎杖くんの主人公力が10だとしたら乙骨と秤の主人公力が1000くらいになってきた》《乙骨先輩といい、秤先輩といいピンチの登場の仕方が主人公なのよねー。本物の主人公の出番まだ?》といった指摘も上がっているほどだ。

チート級の先輩が次々と出てきたため、存在感が薄れるのも仕方はないのだが、問題はそれだけではないらしい…。

インフレについていけない主人公

さらに読者をヤキモキさせているのが、虎杖がメインキャラたちのパワーインフレに取り残されている点。ここ最近の展開によって、乙骨と秤は、“最強”と称される五条悟に肉薄するほどの実力を示してきた。いずれも領域展開や反転術式など、普通の呪術師とは一線を画した強みを持っている。

ところが虎杖の強みといえば、強靭なフィジカルと「黒閃」くらいのもの。いずれも肉弾戦でしか通用しないものなので、やはり見劣りしてしまう。一応、両面宿儺というチート級キャラが“内”にいるが、もし“代わった”のなら乙骨に自分を殺してくれと頼んでいるほどだ。

同級生の伏黒でさえ、「死滅回游」では領域展開を使いこなして戦い、パワーアップの片鱗を見せていた。虎杖は日車との戦いでは実質敗北しており、“人間性”によって勝利した形なので、戦闘力は変わっていないのがつらいところだろう。そもそも虎杖は、ようやく「黒閃」をものにしたばかり。周囲のインフレが加速する一方で、成長スピードが速いとは言えない。

この先、虎杖が急速なパワーアップを遂げる道としては、内にいる宿儺への干渉が考えられるだろう。そうなれば大番狂わせだが、結局は宿儺の力であり、虎杖の力とは言えない。いつか主人公らしい存在感を取り戻せるのだろうか…。

文=野木
写真=まいじつエンタ