任天堂とトラブル勃発!? スマブラ最大規模の世界大会が中止になった裏側

任天堂とトラブル勃発!? スマブラ最大規模の世界大会が中止になった裏側

任天堂とトラブル勃発!? スマブラ最大規模の世界大会が中止になった裏側 (C)PIXTA

『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズにおける最大級のゲーム大会『Smash World Tour』が、突如開催中止となってしまったことが判明。ファンコミュニティの間では、eスポーツに消極的な『任天堂』の影響だという見方が強いようだ。

大会中止までの経緯

「Smash World Tour」は世界の7地域からトップクラスの選手たちが集結し、多額の賞金を賭けて争う世界大会。2020年に第1回大会を迎える予定だったが、コロナ渦などの影響で延期となり、昨年一部オンライン形式で行われた大会が初開催となった。

そんな「Smash World Tour」は現状で確かに「スマブラ」シリーズの最大規模のトーナメントであるものの、あくまで非公式コミュニティによる大会という位置付け。今回「Smash World Tour」が公開した声明によると、同大会は公式ライセンスの取得に向けて、「任天堂」と協議を重ねてきたようだ。

公式ライセンス取得の実現に向けての話し合いは、当初順調に進んでいたとのこと。しかしある時期を境に「任天堂」の返答が滞る状況が続き、運営サイドは“宙に浮いた状態”でツアーを進めていたという。

「任天堂」から再度コンタクトがあったのは、「Smash World Tour」決勝大会直前の11月。同大会の公式ライセンス取得について、社内でも多くの意思決定者が関与していると説明されたそうだが、その後ちゃぶ台を返すように「ライセンスなしでの大会開催は認められない」といった返答が。運営はやむを得ず、決勝大会を前にして大会中止に至ったのだという。

「任天堂」はeスポーツに消極的?

あくまで「Smash World Tour」サイドの言い分ではあるものの、日本のSNSなどでも、《任天堂マジで終わってるな》《さすがにSWT中止についての声明を任天堂で出して欲しいわ》《コミュニティが作り上げた歴史を鶴の一声で壊すのが趣味なんですかね》《スマブラってプロゲーマー絶滅するんじゃない?》といった声が。

昨年「スマブラ」シリーズ初の公式世界大会『Panda Cup』の開催が発表されたこともあり、「Smash World Tour」公式声明文の内容と合せて、「Panda Cup」側から圧力があったのではないか…とも見られているようだ。

そもそも以前から「任天堂」は、eスポーツ大会へのサポートに消極的なイメージが持たれてきた。近年は『Riot Games』が大会をサポートする『イベントサポートプログラム』を始めるなど、公式がeスポーツシーンに寄与する事例も少なくない。

そんな中、「任天堂」は大会運営に理解を示すコメントなどは出しながらも、具体的なサポートなどはそこまでしていない印象だ。

今回の「Smash World Tour」の件に関しても、「任天堂」の広報担当者は海外メディア『Kotaku』の取材に「大会の変更や中止は要請していない」などと説明していたが、果たして…。

ここ数年「任天堂」のゲームも、eスポーツ需要に人気を支えられたタイトルが多くなっている。殿様商売を続けていると、どこかで限界に突き当たるかもしれない。

文=大上賢一

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