FPSゲーム『VALORANT』の公式ツイッターアカウントが、女性キャラクター同士の恋愛要素を匂わせるイラストを投稿。一部ゲーマーたちは、「ポリティカル・コレクトネス」(ポリコレ)への配慮だと“過剰反応”してしまったようだ。
「ポリコレ」に配慮したメッセージ?
今回投稿されたのは、ゲーム内に登場するレイズとキルジョイというキャラクターのキスシーンだ。
— VALORANT // JAPAN (@VALORANTjp) December 11, 2022
レイズは機動力に優れたアタッカーで、ブラジル出身の女性。そしてドイツ出身のキルジョイは、どちらかといえばサポートタイプのキャラクターだ。2人はゲーム内での掛け合いのセリフも多く用意されており、何か深い関係性があることは多くのプレイヤーに知られていた。
そんな2人の踏み込んだ関係性が示唆されたことで、ファンたちは大いに感動している模様。ところが、なぜか一部では猛反発している層もいるようだ。
公式ツイートに対して、《なんでVALORANTまでポリコレに配慮してんだよ この世は異性愛者の方が圧倒的に多いねんからそれに向けて情報だせよおもんないな》《余計なもん付けんなほんまに初めてちゃんとriotに嫌悪感出たわ》《VALORANTもポリコレに敗北したらしい》《ゲームにLGBTとか色々めんどくせぇから持ち込むなって1億年前から言われてるはずだが》といった声が上がっている。
過剰な“ポリコレ批判”にドン引きする声も
近年はゲーム業界に限らず、「ポリコレ」に配慮したコンテンツが増えており、そんな風潮にうんざりとした人々がイラストを叩いている印象だ。
その一方、ゲーマーたちが“ポリコレ憎し”で同性愛差別にまで踏み込んでいると指摘する人々も。
《同性愛は前からあったものなのに扱った瞬間燃え始めるし、それはそれで差別感増してきてキツい》《VALORANTの公式絵にポリコレ言ってる人たち過剰に反応しすぎじゃない?》といった冷静な意見が上がっていた。
また、これまでの経緯を見るかぎり、『Riot Games』がセクシュアルマイノリティに関するメッセージを積極的に発信するのは、当然の流れではある。
以前「Riot Games」は、社内に存在するマイノリティ差別などを告発され、大問題になったことが。
また「Riot Games」との直接の関係はないが、同社のゲーム『League of Legends』の女性限定大会において、同性愛者や性転換者の人数を制限するようなルールが設けられ、物議を醸したこともあった。
そのため「Riot Games」としても、ことさらに性の多様性に理解を示す必要があるのだろう。実際に「League of Legends」においても、新キャラクターのカ・サンテが「LGBTQの黒人」と明言されるなど、多様な性のキャラクターが増えている。
過度な押し付けや設定の改変などに憤るのは理解できるが、企業の方針まで叩こうとするのは、それこそ“過剰”ではないだろうか…。
文=大上賢一
【画像】
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