シャンクス複数人説はウソ確定?『ONE PIECE』106巻の修正ポイント

シャンクス複数人説はウソ確定?『ONE PIECE』106巻の修正ポイント

『ONE PIECE』106巻(尾田栄一郎/集英社)

『ONE PIECE』の最新刊となる106巻が、7月4日に発売された。単行本化にあたって、『週刊少年ジャンプ』に連載された原稿にいくつもの加筆修正が施されている。

その中で連載版に存在した、とある“矛盾”が解消されており、シャンクスの正体をめぐる考察に影響を与えている。

※『ONE PIECE』最新刊の内容に触れています

106巻で描かれているのは、未来島エッグヘッドに上陸した「麦わらの一味」が、Dr.ベガパンクとCP0の間の抗争に巻き込まれていくストーリー。

連載版の内容と見比べてみると、「MADS」時代のベガパンクが舌を出した姿に修正されていたり、ステューシーの肩書きだった「ロックス海賊団」に“元”が付けられていたりと、細かな修正点が見受けられる。

なかでも驚くべきは、シャンクス率いる「赤髪海賊団」の宴シーンだ。戦士の国「エルバフ」の酒場が一瞬だけ描かれるのだが、そこでシャンクスたちは巨大なブルーベリーのような食べ物をツマミに酒を飲んでいた。

しかしシャンクスは、公式設定で嫌いな食べ物がブルーベリーだとされている。そのため一部の読者が不審に思っていたようだが、単行本では色が白に変わり、謎の果物へと変貌していた。

ラッキー・ルウの裏切りフラグ

些細な修正点だと思われるかもしれないが、実はこの描写には大きな意味がある。というのも、連載時にはブルーベリーの描写から、「この場にいるのは本物のシャンクスではない」という説が飛び交っていたからだ。

現在、本編ではシャンクスの血筋が明かされつつある。一部では四皇のシャンクスと「神の騎士団」として天竜人と結託しているシャンクスの2人が存在する、ともウワサされている状況だ。そこでブルーベリーの存在は、シャンクス複数人説を裏付ける根拠の1つとなっていた。

さらにブルーベリーの花言葉には「裏切り」が含まれていることから、「赤髪海賊団」に裏切り者が現れるという説も。とくに果実をほお張っていた幹部のラッキー・ルウに疑いがかかり、「黒ひげ海賊団」の内通者ではないかと議論されていた。

しかし単行本化にあたって、この果実はブルーベリーではなかったことに。わざわざ修正するような箇所ではないため、もしかすると尾田栄一郎は考察を否定するために手を加えたのかもしれない。

あるいは、宴の席にいたのが“ブルーベリーが嫌いな方のシャンクス”なだけで、ほかにもシャンクスはいるのかもしれないが…。真相はいまだ闇の中だ。

文=猿田虫彦
写真=まいじつエンタ