オリックス監督が球宴“ざんげ采配” 自軍投手を中2日で起用した狙い

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プロ野球オールスターゲーム第2戦が7月20日に行われ、全パが2連勝を飾った。第1戦では全パを率いたオリックス・中嶋聡監督に、自軍の選手を優遇しているとの批判が相次いでおり、第2戦では「みそぎ」「ざんげ」ともとれる采配を取った。しかし、ここにも自軍選手を守る中嶋監督の意図が見え隠れする。

中嶋監督は監督推薦でオリックスのエース・山本由伸ら、他軍も含め、WBC組を選出せず。結局山本は「プラスワン投票」で選出され、「温存」とはならなかったが、WBCに出場した宮城大弥と宇田川優希を休ませることに成功した。

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ただ、球界ナンバーワン投手とも言われる山本を監督推薦しなかったことにファンは不満げ。一方、中嶋監督は18日の報道対応で「俺が何を言われてもいい」と選ばなかった責任は自分が負うとしつつ、現状の日程でオールスターを2試合戦うことに疑問を呈した。

だが、これも筋違いだと、またもや批判を浴びている。

先発に山下舜平大を抜擢したが…

迎えた第2戦、全パの先発投手はオリックス期待の3年目、山下舜平大だった。

17日のソフトバンク戦で7回を投じていた右腕に、中嶋監督は二回も続投を指示。結局二回18球を投げ、被安打1、自責点ゼロと上々の投球でマウンドを降りた。

中嶋監督は今季先発として活躍する山下を中2日で二回投げさせ、周囲の批判を封じ込めたかった狙いなのか。ただ、山下に関しては過密日程を強いても問題なかった理由がある。

「中嶋監督はレギュラーシーズンでここ3試合、山下を中10日、中7日、中10日で投げさせている。後半戦も十分な間を置いて投げさせるのだろうから、2回ぐらい投げても調整に問題はない。

加えて、他のエース投手を差し置いて山下を大舞台で先発に抜擢し、秋山翔吾(広島)、岡本和真(巨人)、牧秀悟(横浜DeNA)といった選手と対戦させて経験を積ませた。山本も第1戦、中3日で一回投げるだけで済み、後半戦への準備は順調といえるだろう」(スポーツ紙記者)

パ・リーグ3連覇に向け、これで順風満帆だ。

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