ホロライブファンがウメハラを認知した日…『スト6』初心者救済システムがもたらした成果

ホロライブファンがウメハラを認知した日…『スト6』初心者救済システムがもたらした成果

ホロライブファンがウメハラを認知した日…『スト6』初心者救済システムがもたらした成果 (C)PIXTA

6月25日、新作格闘ゲーム『ストリートファイター6』を競技種目とした招待制大会『第1回 Crazy Raccoon Cup Street Fighter 6』(CRカップ)が開催された。

格闘ゲーム初心者にやさしい同作ならではのシステムが、さっそく良い方向に働いたようで、合計同時接続者数が30万を超えるほどの盛り上がりを見せている。

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大成功の要因となったモダンモード

同大会は、プロゲーミングチーム『Crazy Raccoon』が主催するイベント。ストリーマーやVTuber、プロゲーマーといったさまざまな界隈の人気者がチームを組み、一致団結して優勝を目指した。

大会を通して印象的だったのは、格闘ゲーム歴が浅いストリーマーやVTuberたちの活躍。初心者が格闘ゲームをプレイすると、読み合いなどとは一切無縁の“ガチャプレイ”になりがちだが、同大会ではしっかりと緊張感のある戦いが繰り広げられた。

「今回参加した初心者たちが格闘ゲームの面白さを堪能できたのは、『ストリートファイター6』に実装された初心者救済システム『モダンタイプ』が1つの要因でしょう。

このモードは格闘ゲームで最も大きなハードルとなるコマンド入力を省略し、簡単操作でバトルを楽しめるのが特徴。このシステムがなければ、初心者枠の参加者は大会直前までコマンド練習に終始することになっていたかもしれません」(ゲームライター)

コマンド練習を省略し、初心者でも格闘ゲームの醍醐味である“読み合い”にいち早く到達できるのが「モダンタイプ」のメリットだ。

モダンで戦い抜いた初心者たち

実際に今大会の参加者を見てみると、20名中6名が「モダンタイプ」を採用していた。優勝した『ビーストチルドレン』チームも、先鋒の人気ストリーマー・k4senと、次鋒の『にじさんじ』VTuber・叶が使用している。

他にも『ホロライブ』所属のVTuber・獅白ぼたんなどが、初心者ながらも「モダンタイプ」で参加。格闘ゲームをやり込んできたプレイヤーだけが盛り上がるのではなく、初心者枠まで活躍の機会が回ってくる大会となった。

叶が最後の勝利者インタビュー時に放った「モダンありがとう!」という言葉が、全てを表していたと言っても良いだろう。

そして大会の最後は、「ビーストチルドレン」の大将にして格闘ゲーム界のレジェンドであるウメハラが、漫画のような大逆転で勝利。これまで格闘ゲームに関心を持っていなかった層までもが“令和の背水の逆転劇”を目の当たりにし、熱狂した。

一方で、長年格闘ゲームの世界で生きてきた古参ゲーマーの中には、初心者がすぐに同じ土台で戦えるようになる「モダンタイプ」に対して、複雑な心境を抱いている人も少なくない。

とはいえ、「ストリートファイター」を初心者でも遊べるゲームにすることの重要性は、今回の『CRカップ』の成功が証明している。今後も格闘ゲーム業界の流れは、さらに良い方向に変わっていきそうだ。

文=「まいじつエンタ」編集部

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