2月8日、人気育成ゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』において、新たな育成可能ウマ娘「メジロアルダン」が実装された。しかしガチャで排出される最高のレア度「☆3」での実装に、ユーザーからは賛否の声が上がっている。
元ネタとなった競走馬のメジロアルダンは、1988年から1991年にかけて活躍した黒鹿毛の牡馬。サクラチヨノオーとの激闘の末に惜しくも破れた『東京優駿(日本ダービー)』や、レコードタイムを叩き出して勝利した『高松宮杯』(当時はG2)など、数多くの名勝負で競馬ファンを沸かせた。
しかしメジロアルダンは、最高グレードのレース「G1」では一度も勝ったことがない。同じ時代に活躍していたスーパークリークやオグリキャップなどの強豪に苦汁をなめさせられることが多く、骨折や屈腱炎などの怪我にもたびたび悩まされていたようだ。
★3[クリノクロア・ライン]メジロアルダン(CV:#会沢紗弥 さん)が登場!
中距離を舞台に『今、この瞬間を』誇り高く走り切る、高貴な深窓の令嬢ウマ娘です!
ガチャで獲得すると今だけ「メジロアルダンのピース×90」がおまけで付いてきます!#ウマ娘 #ゲームウマ娘 pic.twitter.com/oWUo8OG2zc— ウマ娘プロジェクト公式アカウント (@uma_musu) February 8, 2022
名馬であることには変わりないが、G1未勝利馬が「☆3」のウマ娘として実装されることに、一部のユーザーからは《ついにG1未勝利馬でも☆3実装するスタンスであることが明確になってしまった》《G1未勝利で☆3はちょっと…て思っちゃう》といった声が上がっている。
「星の数」と実績は関係がない?
たしかにG1未勝利馬を元ネタとする☆3ウマ娘は、ゼロではないものの、ほとんど登場していない。そのため驚くユーザーが多かったのは理解できるのだが、こうした反応に“リスペクトの欠如”を感じる競馬ファンも。
SNS上では《「メジロアルダン実装でG1未勝利なのに☆3かよ」っていう言い方は、ガチで競走馬へ対する敬意がないと思う》《馬主さんや関係者さんに失礼だし、メジロアルダンに対しても失礼だよ》《G1未勝利って理由でランク下げる方がリスペクトに欠けてるだろ》《社台や一部馬主が絶対に馬を許可しない理由が分かったでしょ?》と激怒する声も少なくない。
さらにいえば、そもそも『ウマ娘』では「エルコンドルパサー」が☆2、「サクラバクシンオー」が☆1として実装されている。ここから分かるのは、モチーフとなった競走馬の実績とレア度があまり関係ないということだ。
また、一度も☆1や☆2の新規ウマ娘が実装されていないところを見ると、星の数によるランク付けが機能しているのかも疑問。どのウマ娘も条件を満たせば☆5まで育つシステムなので、ガチャ排出率を絞るための口実…くらいの意味しかないのかもしれない。
ともあれ「レアリティ」という尺度自体が、大きな火種になりやすいことは確か。「ウマ娘」ファンは、元ネタの競走馬に配慮した言動を心掛けるべきだろう。
文=大上賢一
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