アニメ『終末のハーレム』がBPOに発見される…「見つかるの意外と遅かったな」

アニメ『終末のハーレム』がBPOに発見される…「見つかるの意外と遅かったな」

アニメ『終末のハーレム』がBPOに発見される…「見つかるの意外と遅かったな」 (C)PIXTA

現在放送されている2022年冬クールアニメ『終末のハーレム』(TOKYO MXほか)が、ちょっとした物議を醸している模様。『BPO(放送倫理・番組向上機構)』に、同アニメに対する苦情が寄せられていたことがわかり、アニメファンの間で話題になっている。

問題のクレームは、今年1月に視聴者から寄せられたもの。「『性的表現』に関する意見」として、「金曜の深夜、高校生の息子が親に隠れて見ていたアニメに驚いた。民放で放送する内容ではない」という一文から始まる意見が綴られていた。

その視聴者はしっかり内容を理解した上で作品を批判しているようで、「未来に奇病が流行して男が何万人も亡くなり、生き残った男性が5人で、残りは女性しかいない。政府がその5人と残った女性と性行為をさせ、妊娠させ、子どもを将来的に増やす。性交・無避妊・受精・はらませ…女性は産む機械ではない。女性軽視だ」などと痛烈に指摘。具体的な作品名は記載されていなかったが、どう見ても「終末のハーレム」についての苦情だろう。

これに対してアニメファンからは、《そりゃ誰だってそう思うだろ》《ぐうの音も出ないくらいの正論で草》《自分もあれ本当よくアニメ化できたなと思う》《終末のハーレムBPOに見つかるの意外と遅かったな》といった声が。まるで宣伝のようなアニメの設定を網羅したクレーム文に、《やけに詳しくて草》《ちゃんと見て批判している》と感心する人もいるほどだ。

「終末のハーレム」で軽視されているのは男性?

「終末のハーレム」が地上波で放送するには若干過激な内容なのは、視聴者もある程度同意している模様。それはそれとして女性軽視にあたるかどうかについては、《女性蔑視ではなく男性蔑視では?》との意見も寄せられている。

というのも同アニメには女性の露出など、性的な描写が見受けられるものの、内容はどちらかと言えばサスペンス寄り。たとえば世界で5人しかいない男性の1人になってしまった主人公は、第1話の終盤で「メイティング(子作り)」を強要され、「俺は種馬じゃない! 人を家畜みたいに言うな!」と叫んでいる。作中で人権を軽視されているのは、男性の主人公の方ではないだろうか。

その他、《そんなことでBPOに電話する高校生親とか。健全な男子に育ってるんだから見守ってやれよそれくらい》《隠れて見てたのにバラされる息子ちゃんが一番かわいそう》といった意見も。「終末のハーレム」の視聴が親にバレてしまった時の“息子”の心境を考えると、同情を禁じ得ない。

そんな被害者だけでなく、「そっとしておいてほしい」と思っている「終末のハーレム」の視聴者は多いことだろう。今回の件が「表現の自由」やフェミニズムの関わる、大袈裟な議論に発展しなければいいのだが…。

文=大上賢一

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Benzoix / PIXTA