さまざまな炎上騒動によってVTuber業界が揺れ動くなか、朗報が届いたようだ。3月16日、ANYCOLOR株式会社が運営するVTuber事務所『にじさんじ』から新人ユニットがデビュー。ファンの間では《安心して推せる》との声が高まっている。
「下積みのあるライバー」への期待
この度デビューを果たした『Ranunculus』(ラナンキュラス)は、天ヶ瀬むゆ、先斗寧、海妹四葉の女性3人組ユニット。その全員が、ANYCOLOR株式会社が実施していたVTuber育成プロジェクト「バーチャル・タレント・アカデミー」(VTA)の出身者だ。
【🎉「にじさんじ」新たに3名がライバーデビュー!】
「Ranunculus(ラナンキュラス)」として、本日3/16(水)より3名がライバーデビュー!
初配信リレーは3/20(日)17:00よりスタート!初のVTA出身🏫
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デビュー楽曲・特別番組・記念グッズ/ボイス 一挙情報解禁!詳細▽https://t.co/3GiG6fG6m0 pic.twitter.com/k2i30HnJWX
— にじさんじ公式🌈🕒 (@nijisanji_app) March 16, 2022
「VTA」は、「にじさんじ」のノウハウを生かした研修プログラムのようなもの。ライブ配信に必要なスキルのほか、歌やダンスなどのレッスンも受けられるという。さらに、コンプライアンス研修やSNSの運用講座も設けられていた。
また配信活動も実際に行っており、すでに削除済みだが「Ranunculus」のメンバーも一定の下積み期間を過ごしていた。
そうした経緯があるため、「にじさんじ」ファンからは早くも期待の眼差しが。《新人さんはVTA出身だから最初から安心できそう》《ちゃんとした研修踏んでるからリスク管理とかしっかりしてそう。これは期待》《試用期間乗り越えたようなものだから企業側としても色々リスク低そうでいいね》《VTA出身だ。面構えが違う》といった声が寄せられている。
コンプラ意識が懸念されるのは…
ファンたちが過剰なほどにコンプラ意識などを気にしているのは、ここ最近のVTuber業界が激動だったことが原因だろう。
つい先日「にじさんじ」では、新人VTuberのローレン・イロアスが配信中にPCの情報をさらすハプニングが発生。そこからセクシービデオの違法ダウンロードが発覚し、炎上騒動に発展してしまった。
さらにこの炎上は、企業との案件にまで影響。「にじさんじ」がNTTドコモの「ahamo」とコラボしたキャンペーンは早期終了になり、Jリーグの『2022 J1全18クラブ』との合同企画は延期に追い込まれている。新人の失敗が、グループの対外イメージに関わる大型案件にまで響いたことで、ファンたちはリスクに敏感になってしまったようだ。
それだけでなくお隣の『ホロライブ』でも、このところスキャンダル続き。潤羽るしあは歌い手・まふまふとの交際疑惑、第三者への情報漏えいなどで波乱を呼び、契約解除へと発展。桃鈴ねねもイラストのトレパク疑惑により、物議を醸していた。
「Ranunculus」のメンバーは「VTA」の看板だけでなく、VTuberの不祥事に怯えるファンの想いも背負うことになりそうだ。“クリーン”なイメージを作り上げてくれることを期待しよう。
文=野木
【画像】
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