アニメ『呪術廻戦』が中国で炎上! 謝罪&訂正となった表現とは…

アニメ『呪術廻戦』が中国で炎上! 謝罪&訂正となった表現とは…

『呪術廻戦』18巻(芥見下々/集英社)

エンタメ業界でもチャイナリスクが脅威となっているようだ…。先日、アニメ『呪術廻戦』の公式ツイッターが、同作の劇場版が世界的な大ヒットを記録していることを報告。しかしその中のちょっとしたフレーズに、一部の中国人たちが激怒してしまったという。

アニメ『呪術廻戦』が中国で炎上!?

問題になったのは『劇場版 呪術廻戦 0』に関するツイートで、《世界各国でも続々公開! 韓国、台湾ほか、各国で初登場1位を記録するなど海外でも話題席巻中》といった内容。一見よくある満員御礼ツイートだが、「台湾」というワードが今回の騒動につながったようだ。

最近は日本でも広く知られるようになったが、中国には「一つの中国」という政治的な立場があり、台湾を独立した国家として断じて認めていない。しかし『呪術廻戦』のツイートは、台湾を“国”と認めるような表現で書かれていたため、批判の声が上がってしまった。

これを受けてアニメ「呪術廻戦」の公式ツイッターは、「世界各国でも続々公開!」の部分を「海外でも続々公開しており」などと修正。また中国で広く使われているSNS『微博』でも謝罪文を公開したが、なおも中国の愛国者たちは怒りが収まらないようだ。

中国ユーザーを無視できない理由

今回の騒動について日本のネット上では、《これはチャイナリスク考えないで中国にモノを売った自己責任》《他国の事情に巻き込まれるの、本当になんとかならんもんかねぇ》《謝ってはだめ。下げた頭をさらに踏みつけてくるから》《単純に面倒くさいな》《なんでこんなに騒いでいるのか理解できない》といった意見が。ちなみに日本のエンタメ業界で「台湾」関連の炎上騒動が起こったのは、今回が初めてではない。

たとえばVTuber業界でトップクラスの人気を誇る『ホロライブ』では、以前所属していたVTuber・桐生ココが炎上。配信内でYouTubeのアナリティクスを紹介した際に、中国とは異なる国として台湾が表示されていたというだけで、中国のネットユーザーから猛バッシングされるようになってしまった。その後、彼女が「ホロライブ」を卒業していったのは、この騒動が尾を引いていたのではないか…とも推測されている。

また「一つの中国」とは関係ないが、声優業界では茅野愛衣の「靖国参拝」が中国のネットユーザーに知れわたり大炎上。確かに中国はエンタメ業界にとっても大きな市場だが、それだけに反感を買った時のリスクも大きいようだ。

「呪術廻戦」の炎上も、公式の対応によっては禍根を残してしまう可能性がある。このまま何事もなく収束してくれることを祈りたい。

文=大上賢一

【画像】