『となりのヤングジャンプ』で連載中の村田雄介版『ワンパンマン』。3月24日に更新された第206話では、サイタマとガロウの緊迫した対話シーンが描かれているのだが、その“原作改変”に不満を抱く読者も多いようだ。
※『ワンパンマン』最新話の内容に触れています
S級ヒーローたちが倒れ、「怪人協会」の幹部たちも一掃された後。ガロウは自分が怪人として完成しつつあることを自覚するも、何かを見落としているような不安を抱く。そこで現れたのが、サイタマだった。
サイタマに対して、ガロウは自分の信念である「絶対悪」の立場をアピール。しかしサイタマにはガロウが怪人に見えないらしく、そのまま立ち去ろうとする。侮られないため、ガロウはすかさず後ろ姿に殴りかかるも、あえなく返り討ちにされてしまうことに…。
となジャン版ワンパンマン、最新話更新されました!是非https://t.co/gE4K1zvZD2
— 村田雄介 (@NEBU_KURO) March 23, 2022
大まかな展開は原作にあたるONE版と変わっていないものの、ガロウの描き方はまったく別物。師匠・バングの言葉に想いを馳せる場面があり、内面の豊かなキャラクターとなっている。また、サイタマに殴りかかる際には、“死なない程度”とモノローグで語っているため、読者目線ではいかにも善人といった描写だ。
村田版ガロウはヒーローに寄りすぎ?
ONE版とのギャップに、読者からは《ガキを殺すって言いながらヒーローぶっ飛ばしつつ正義論熱弁する箇所はカットだろうか…残念》《ガロウがただのいいヤンキーじゃん》《突き抜けた”悪のガロウ”が村田版にはいないのよね》《ヒーローも怪人も両方ボコボコにしたのが原作ガロウ、ヒーロー側になり怪人をボコボコにした村田ガロウ》といった指摘が上がっている。
もともとONE版ガロウは、S級ヒーローたちに激しい暴力を加えたり、一般人の子どもを人質にしてヒーローを試したりと、かなりダークヒーロー要素の強いキャラクターだった。そうした意味では、たしかに村田版ガロウは“別人”に近い。
これまでも、村田版ガロウにはダークヒーロー的な描写が薄かった。シルバーファングとの闘いでは改心の兆候を見せ、Gブサイク大総統などを成敗。一般人の子どもが乗ったヘリコプターを守るため、金属バットと共闘し、大怪蟲ムカデ仙人に立ち向かうなど、まさに正義のヒーローといった振る舞いばかりだ。
今のところ、ファンの不満が溜まっているようだが、まだまだガロウの出番は続くはず。この先、魅力的なキャラクターに昇華されることを期待しよう。
文=「まいじつエンタ」編集部
写真=まいじつエンタ