『呪術廻戦』19巻のレビューが一時大荒れ!「死滅回游」に不満を募らせる読者たち

『呪術廻戦』19巻のレビューが一時大荒れ!「死滅回游」に不満を募らせる読者たち

『呪術廻戦』19巻(芥見下々/集英社)

劇場版アニメも大ヒットを記録している漫画『呪術廻戦』の19巻が4月4日に発売された。しかしその内容をめぐって、一部の読者たちが大荒れ。どうやら17巻から続いているデスゲーム「死滅回游」に対する不満が爆発しているらしい。

白熱するストーリーだが…

19巻に収録されているのは、「死滅回游」に参加した虎杖悠仁と伏黒恵の活躍。「東京第1コロニー」に突入した2人は、弁護士の日車寛見や、謎の呪術師・レジィ、芸人・髙羽史彦など、個性あふれる人々と遭遇する。

日常シーンはほとんどなく、「呪術廻戦」の醍醐味と言えるバトルシーンを次々と展開。新キャラたちが得体の知れない能力を解放し、それに虎杖や伏黒が立ち向かうという流れで、知略が入り乱れた能力バトルが描き出された。

しかし、そんな19巻の展開を受け入れられない人もいるようで、ネット上では《死滅回遊が始まってから、不必要で恣意的な展開が多いです》《おもしろかったのは渋谷事変までで、その後は微妙》《どう見ても魅力のないキャラばかりが出てきて、ストーリーもどうでもいいような方向に迷走してきている》《新キャラに全く魅力を感じません》といった苦言が見受けられる。

読者を落胆させた原因は?

こうした人々の多くは、「死滅回游」の展開に不満を覚えているように思える。何より槍玉にあがっているのは、そのルールの複雑さや不完全さだ。

「死滅回游」には8つの「総則(ルール)」が定められており、それぞれがかなり長文で法律の条文のように分かりにくい。さらに新たなルールが加わることもあるため、ストーリーを完璧に把握するならひと時も見逃せない。そのため作品を熱心に追いかけるわけではないライト層には、あまり好評ではないのだろう。

また、「死滅回游」ではその性質上、新キャラたちのバックボーンが明かされないまま戦闘が連続していく。重厚な人間ドラマを期待している人にとっては、“浅い”と感じられるのかもしれない。

とくにそれまで描かれていた長編「渋谷事変」では、深い因縁のある強敵たちが立ちはだかる展開だったため、そのギャップが激しいことも確かだ。

とはいえ、最近でもっとも賛否両論が激しかった巻は、「死滅回游」のプロローグが収録された17巻。今では徐々に落ち着きつつあり、物語がのめり込むファンの姿も増えている。最近では乙骨憂太の活躍が好評を呼んでいるので、コミックス派の心を引き戻してくれることを信じたい。

文=野木
写真=まいじつエンタ