『ONE PIECE』“太陽の神ニカ”の伏線は第1話に…? 初期から散りばめていた構想

『ONE PIECE』“太陽の神ニカ”の伏線は第1話に…? 初期から散りばめていた構想

『ONE PIECE』102巻(尾田栄一郎/集英社)

最近の『ONE PIECE』では、物語の根本に関わる新情報が次々と明かされている。とくに大きな注目を集めているのが、「太陽の神ニカ」の設定だ。この情報は一見唐突に見えるものの、実は連載初期からひそかに示唆されていたようだ。

※「ONE PIECE」最新話までの内容に触れています

「太陽の神ニカ」の話が本格的に絡んできたのは、第1044話でのこと。ルフィが食べた悪魔の実が「ゴムゴムの実」ではなく、「ヒトヒトの実」幻獣種モデル“ニカ”であることが明らかとなった。ニカはかつて奴隷たちを救った伝説の戦士であり、人を笑わせて苦悩から解放したという。

このニカは唐突に登場したものではなく、これまでに意味深な示唆がいくつも散りばめられていた。たとえば、ルフィが冒険してきた国には「太陽」をシンボルとするところが多い。

まず「ワノ国」に古くからいた石工の一族・光月家の家紋には、太陽の紋様が。また「アラバスタ」のシンボルにも太陽が描かれているほか、「魚人島」にいたフィッシャー・タイガーの海賊団は、「タイヨウの海賊団」と名乗っていた。

さらに「空島」の原住民であるシャンディアは、太陽信仰だった可能性が高い。第287話『神殺し』では、生贄に選ばれたムースが「私はこれから太陽の神に迎えられるのよ」と語っている。

「太陽」だけではない伏線

かくして「太陽」がつねに描かれてきたルフィの旅路なのだが、記念すべき第1話からして同じ要素が。そのタイトルは『ROMANCE DAWN-冒険の夜明け-』、すなわちDAWN(夜明け)が含まれており、太陽が昇ることを示唆している。のちにルフィが「太陽の神ニカ」として、悪魔の実を覚醒させるという予言だったのかもしれない。

そしてネット上では「太陽」だけでなく、「ニカ」や「ヒトヒトの実」についても伏線らしきものが指摘されている。たとえば、魚人島の「人魚カフェ」にいたメダカの人魚は五つ子であり、その次女はニカという名前。そして単行本62巻の表紙では、ルフィのちょうど真上にニカが位置していた。

そのほか、アラバスタではルフィがロビンと共謀し、チョッパーの真似をする場面が。チョッパーはルフィと同じ「ヒトヒトの実」の能力者なので、いま振り返ると意味深に見える…。

はたして作者・尾田栄一郎はどこまで想定して作品を作り上げているのだろうか。

文=「まいじつエンタ」編集部
写真=まいじつエンタ