尾田栄一郎と青山剛昌の対談が実現間近? ONE PIECEと名探偵コナンが夢のコラボ

尾田栄一郎と青山剛昌の対談が実現間近? ONE PIECEと名探偵コナンが夢のコラボ

『ONE PIECE』102巻(尾田栄一郎/集英社)

ともにコミックスが100巻以上発売され、国民的作品として愛されている『ONE PIECE』と『名探偵コナン』がコラボ。出版社の垣根を越えた共演が実現したことで、作者である尾田栄一郎と青山剛昌の対談が、現実味を帯びてきたかもしれない。

ルフィとコナンが夢のコラボ!

2作品のコラボが実現したのは、東京にある『三省堂書店神保町本店』。ビルの壁面に、笑顔のルフィとコナンが並んだ幕が掲出されており、2人の上には《神保町にありがとう》と書かれている。

コラボにいたった経緯は、同店が営業終了し、移転するため。書店と同じ千代田区内にある小学館と集英社に交渉したところ、夢の共演が実現したようだ。

国民的作品のコラボだが、漫画・アニメファンの間ではあまり大きな話題になっていない。しかし、このコラボには大きな意味がある。

「コナン」の100巻が発売されたのは、2021年10月のこと。その1カ月前の10月には「ONE PIECE」100巻も発売されており、大ヒット作の100巻が同時期に発売されるというメモリアルイヤーだった。

すると11月に発売された『週刊少年ジャンプ』の巻末コメントで、尾田栄一郎が《面識ないんですが戦友の気分。100巻のご苦労わかります青山さんコナン祝100巻!!》とお祝いのコメントを寄せていたのだ。

また青山剛昌は以前、書籍情報誌『ダ・ヴィンチ』で《尾田(栄一郎)くんと対談出来たら面白いかも(笑)。『コナン』と同じくらいのタイミングでおそらく『ONE PIECE』も100巻が刊行されるはずだから。週刊連載をやりながら毎週のアニメ放送を続けているのって、今、俺と尾田くんくらいでしょう。同志としていろんな話をしてみたい》と話していた。

しかし、100巻刊行時に対談は実現していない。今回の「三省堂書店」コラボで、両者の距離が確実に近づいたと言えるだろう。

変わりゆく街・神保町の顔『三省堂書店』

コラボが実現した「三省堂書店」は、1881年創業の老舗。移転する本店ビルが建てられたのは、1981年のこと。建て替え当時は売り場が都内最大級で、“本の街”神保町の顔として、多くの人に愛されてきた。

しかしこの度、設備の老朽化によって建て替えられることに。解体される神保町本店には、本好きから《ああ、神保町の三省堂さんはもうすぐ建て替えか》《小さい頃から親に連れられて行っていたので、とても名残惜しいです》《昔、よく通ってた。なんか寂しくなるね!》《神保町の三省堂が閉店するのが悲しくて気が狂ったように本を買ってしまった》といった声が上がっていた。

なお、営業終了は5月8日で、新たなビルは2025~2026年ごろに完成する予定だという。神保町本店の仮店舗は6月1日、地下鉄新宿線の小川町駅近くにオープンするようだ。

昨今の神保町は街が様変わりしており、1960年に開店した洋食店『キッチン南海』本店は店舗の老朽化と店主の高齢化によって、2020年6月に閉店。新たに新・神保町店を開業している。しかし、「キッチン南海」の向かいにある、創業80年超の餃子店『スヰートポーヅ』は閉店。惜しむ声が多く上がっていた。

また、映画館『岩波ホール』は7月29日に閉館が決まっている。ミニシアターの草分け的な存在として、映画ファンに愛されていたが、新型コロナウイルスによる影響で、1968年から続いた歴史に幕を閉じるという。閉館の知らせには、惜しむ声だけでなく、文化的価値のある「岩波ホール」を守るべきだという声も多く上がっていたのだが…。

街が変化しつつあるのは、神保町だけでない。変わる理由はさまざまだが、時代が一周したのかもしれない。東京都千代田区神田神保町1-1に店を構える「三省堂書店神保町本店」の解体は、その時代を象徴する1つの大きな出来事だろう。

文化を継承するためにも、「三省堂書店」コラボをとっかかりに、尾田と青山の対談が実現することを願いたい。

文=「まいじつエンタ」編集部
写真=まいじつエンタ