『ジャンプ』打ち切りレベルの漫画がなぜか生存…余裕ゼロの内情とは

『ジャンプ』打ち切りレベルの漫画がなぜか生存…余裕ゼロの内情とは

『ジャンプ』打ち切りレベルの漫画がなぜか生存…余裕ゼロの内情とは (C)PIXTA

『週刊少年ジャンプ』では人気のない作品が容赦なく打ち切られ、次の連載と入れ替わっていくのが恒例の流れ。しかし最近はそんな新陳代謝が上手くいっていないようで、ネット上では“新連載不足”を心配する声が相次いでいる。

新連載の弾が少なすぎる?

4月25日に発売された「ジャンプ」21・22合併号の掲載順を見てみると、最下層には『守れ!しゅごまる』『アヤシモン』『ドロンドロロン』が並んでいる。どれも昨年11月から連載が始まった作品だが、ここ最近は10週近く“ワースト3”付近をさまよっている。

掲載順が浮上する気配もないため、読者の間では、次の新連載が投入されるタイミングで打ち切りになるものと予想されていたようだ。しかしここにきて、当面は生き残るのではないかという説が飛び交うことに。

その根拠は、同号の予告ページにあった。5月9日発売予定の「ジャンプ」23号から新連載『すごいスマホ』がスタートするのだが、そこには「第〇弾」といった見出しが存在しない。複数の新連載が始まる際は、決まってその見出しが入るため、今回はたった1つしか連載が始まらない可能性がある。

伸び悩んでいる作品と新連載との入れ替わりが見られないことで、ネット上では《打ち切りほぼ確定レベルだったアヤシドロンしゅご生存ルート…?》《新連載も1つっぽいし、ジャンプ君大丈夫…?》《打ち切れるほど余裕ないよなジャンプ 読み切り多いし元々スカスカじゃん》と心配の声が上がっていた。

誌面は休載ばかりに…

新連載が1本だとしても、ワースト3の中から少なくとも1つは終了する作品が出そうなもの。だが、実は新連載が入るための枠はすでに空いている。21・22合併号から『あやかしトライアングル』が本誌から『ジャンプ+』へと移籍し、1枠分がフリーになったからだ。

さらに同号では、人気作『ブラッククローバー』が作者の体調考慮のため、約3カ月の長期休載に突入した。

そして他の人気連載も、しばしば休載を挟んでいる状態。『僕のヒーローアカデミア』は2週に1度の休載が続き、実質的な隔週連載となっており、『ONE PIECE』も月1回の定期休載を実施している。あまりに誌面が安定していないため、穴を埋めるのには、新連載1本では心許ないかもしれない。

振り返ると、2017年以降は5月ごろまでに平均5~6本ほどの新連載が投入されていた。しかし2022年は、『あかね噺』『地球の子』『すごいスマホ』の3本のみ。例年より新作が少ないのは明らかだ。

こんな状況になるなら、いっそ打ち切らず長い目で見るべき作品もあったのではないだろうか…。

文=野木

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