成蟜が英雄に! アニメ『キングダム』元ヘイトキャラの最期に涙「胸が熱くなる」

成蟜が英雄に! アニメ『キングダム』元ヘイトキャラの最期に涙「胸が熱くなる」

『キングダム』64巻(原泰久/集英社)

壮大なスケールで歴史のロマンを描き出すアニメ『キングダム』(NHK)。5月7日深夜に放送された第4シリーズ第5話『剣と盾』では、始皇帝の弟・成蟜(せいきょう)の身に壮絶な運命が待ち受けていた。それを見届けた視聴者たちの反応は…。

※アニメ『キングダム』最新話の内容に触れています

邪悪な陰謀によって、「屯留(とんりゅう)」の地下に囚われた成蟜。第一夫人・瑠衣を救出するために奔走するものの、城主代行・蒲鶮(ほかく)から致命傷を食らってしまう。

成蟜はまさしく満身創痍だが、瑠衣に援軍を呼ぶように命じ、最後の力を振り絞る。そして外に行った瑠衣は信が率いる「飛信隊」と遭遇し、成蟜の元にもどるのだが、すでに彼は虫の息。最期に愛を告げると、この世を去るのだった──。

瑠衣の腕に抱かれながら、ついに命を落とした成蟜。彼の死に対して、視聴者からは《見終わったあとしばらく放心状態…。成長した兄弟の会話聞きたかったよ》《シリーズ初期はただ酷薄なだけの少年だったが、多くの忠臣に看取られるほどに徳を積んでいた姿に胸が熱くなる》《成蟜をここまでのキャラクターに成長させられたのは見事だったな》《こんな男前な散り際を見せられたら、泣かずにはいられません》と悲しみの声が続出している。

成蟜は最期“だけ”美しい?

しかし忘れてはいけないのは、成蟜が今まで行ってきた非道の数々。もともとの性格は残忍かつ生意気で、第1シーズンでは悪党的な存在だった。自らの野望のために、兄の嬴政(えいせい)すらも殺そうとした根っからの悪人であり、かなりのヘイトを集めていた。

しかし成蟜はその後、別人のようなキャラクターに。今回のエピソードでは、そうした過去がなかったかのように、英雄としての最期が描かれている。視聴者が手のひら返しするのも当然ではあるのだが、いまだに過去を忘れられず、泣くに泣けない人もいるようだ。

とはいえ、歴史を題材とした作品は、登場人物の人生をドラマチックに描くことが主眼となる。たとえ嘘だとしても、最期は立派な人生を歩んできたかのように表現するのは、正しい作劇法と言えるだろう。

何より同作において、英雄の死亡は戦闘シーンと並ぶ大きな見せ場。今回も見事に視聴者の涙を誘っており、その手腕にはうなるしかない…。

文=大獄貴司
写真=まいじつエンタ