いまだに熱烈なファンが多い、『週刊少年ジャンプ』の異能力バスケ漫画『黒子のバスケ』。先日、アニメ化10周年を記念したフィギュア企画がスタートしたのだが、その内容があまりに珍妙だったことから、困惑の声が飛び交っている。
世界に1つだけのフィギュア?
「黒子のバスケ」は、2008年~2014年にかけて連載されていた作品。主人公の黒子テツヤが「影の薄さ」を武器として、常軌を逸する能力をもった「キセキの世代」を相手に、超人級のバスケで競い合うストーリーだった。
2022年はちょうどアニメ化から10周年にあたる年だったが、これを記念して、新作フィギュア制作が決定。公式ツイッターの発表によると、原案は作者・藤巻忠俊の描き下ろし。誠凛バスケ部の監督兼マネージャー・相田リコ、桐皇学園バスケ部マネージャーである桃井さつきの2人がフィギュアになるという。
「アニメ化10周年 藤巻先生に感謝を込めて、リコ&桃井のリアルフィギュアをプレゼントしよう!」企画!
藤巻先生の心残り、リコと桃井フィギュアを制作し先生にプレゼントを企画しています。
先生にその原案を描き下ろしていただきました!進行過程も追っていきます。#kurobas #黒バスアニメ10th pic.twitter.com/J2ato5zJl0— アニメ黒子のバスケ (@kurobasanime) May 9, 2022
ところがこのフィギュア、一般発売されるわけでも、応募者プレゼント企画に使われるわけでもない模様。作者1人だけにプレゼントするための企画らしい。
「作者による作者のためのフィギュア」という珍企画に、ファンからは《え? 売らないのこれ?》《販売しないの…? 嘘でしょ…?》《おぉーって思ったらファン無関係だったw》《自分で原案書き下ろしたフィギュア貰うってどんな気持ちなん…?》と困惑の声が上がっている。
不遇の「黒バス」女子マネたち
「黒子のバスケ」のフィギュアは、これまでにも数多く販売されてきた。しかし、それは主人公の黒子や相棒の火神大我など、「キセキの世代」の面々をはじめとする男子キャラクターばかり。多数の女性ファンを抱えていた作品なので、商売的に致し方ないところだろう。
その一方で、売れる見通しが付かなかったのか、相田や桃井といった女子マネージャーはまともなフィギュア化が実現していない。作者の藤巻もそれが心残りだったため、今回の企画が実現したのかもしれない。
とはいえ、藤巻と同じ気持ちで相田と桃井のフィギュアを待ちわびていた隠れファンも当然いる。実際に、SNS上では《お願いだから売ってくれ》《今からでも遅くないのでフィギュア発売して…絶対買う…》《頼むから本当に本当に頼むから先生にプレゼントした後に一般販売してください》と切望する声が後を絶たない。
ファンもそろそろ新作グッズに飢えている頃だろう。クラウドファンディングでも企画すれば、一瞬で資金が集まりそうなものだが…。
文=野木
【画像】
Kostiantyn Postumitenko / PIXTA