6月3日、『STREET FIGHTER 6』(ストリートファイター6)の最新映像が公開されたのだが、“春麗”のキャラクターデザインが物議を醸している模様。近年のゲーム業界で問題視されている、「過剰なポリコレ配慮」が原因だと疑われているが…。
新しい春麗の3Dモデルが不評
春麗は『ストリートファイターII』で登場して以降、ほぼ全てのタイトルで実装されてきた名物キャラクター。中国出身の女性格闘家で、いわゆる“お色気要員”としても多数のメディアミックス作品などで重宝されてきた。まさに格闘ゲームにおける女性キャラクターのパイオニア的な存在と言えるだろう。
そんな春麗が『ストリートファイター6』にも当然のように登場するのだが、トレーラー映像などを見るかぎり、若干リアル寄りなデザインになった印象。『ストリートファイターV』の3Dモデルと比べると、目と顔の輪郭がだいぶ細くなっている。
シャドルーが崩壊し達観したかのような春麗。
白を基調とした衣装を身に纏い、落ち着いて晴れやかな気持ちで過ごしています。
シリーズの伝統を受け継ぎながら、動きやすくエレガントな衣装になりました。ディレクター @TakaNakayama#StreetFighter6 #SF6 #スト6 pic.twitter.com/u69RImvYnS
— ストリートファイター / STREET FIGHTER (@StreetFighterJA) June 8, 2022
一新された春麗のデザインが意外と不評なようで、SNSなどでは《なにこれ? ポリコレにでも配慮したの? これは春麗じゃない》《春麗がめちゃくちゃアジア人の顔にされてるの、もうほんとポリコレいい加減にしろよって感じ》《春麗どうした? ポリコレに配慮したの?》《スト6の春麗ポリコレのせいで魔改造されてるやん》といった声が。
多様性尊重などのスローガンを掲げる「ポリティカルコレクトネス(政治的妥当性)」を意識した結果、あまりかわいくない春麗になってしまった…と嘆く人が多いようだ。
春麗が年をとっただけ?
しかし春麗のデザイン変更が、ポリコレを意識した結果だとするのは早計。というのも「ストリートファイター6」の時代設定は、これまでのシリーズよりも未来の話だと推測されているからだ。
実際にシリーズを象徴するキャラクター・リュウも、今作ではヒゲを生やしており、だいぶ年をとったように見える。またトレーラー映像ではルークといった次世代ファイターにスポットが当たっており、世代交代が作品のテーマになっている線も濃厚。そのため春麗のキャラクターデザインに関しても、加齢を表現するために一新したとも考えられる。
そもそもトレーラー映像では、春麗がリーフェンと思われる弟子の稽古をしているような場面も映されているのだが、弟子の3Dモデルは美人と言える。ポリコレに配慮したゲームであるならば、弟子のデザインもあそこまでかわいくはならなかっただろう。
さらにいえば「ストリートファイター6」の春麗が、本当にブサイクなのかも疑問。『CAPCOM VS. SNK 2 MILLIONAIRE FIGHTING 2001』(カプエス2)の頃を彷彿とさせる、クール系美人なデザインのように思えるのだが…。
ICPO捜査官を辞めてカンフー教室の先生になった春麗が、「ストリートファイター6」でどのような活躍を見せるのか注目したい。
文=大上賢一
【画像】
Khosro / PIXTA