打ち切りをめぐり、激しい生き残り競争が繰り広げられている『週刊少年ジャンプ』。6月6日にはじまった新連載『ALIENS AREA』に、早くも暗雲が漂い始めているようだ。読者からは、とある“欠点”を指摘する声が相次いでいる。
※『ALIENS AREA』最新話に触れています
同作は、異星人vs地球人の戦いを描いたファンタジーバトル漫画。主人公・立浪辰己は、知らぬ間に異星人の技術を体内に埋め込まれた高校生だ。人智を超えた能力を持っている彼の元へ、警視庁公安部の秘密部署「外事第5課」、通称“外5”が勧誘にやってくる──。
6月13日発売の「ジャンプ」28号に掲載された第2話『写楽一』では、立浪が捜査官・写楽一(しゃらく・はじめ)に熱心な勧誘を受けることに。答えを渋る立浪に対して、写楽は「外5」の仕事を見学するように誘う。そして実際に、異星人から人を救い出す様子を見せ付けるのだった。
ラストでは晴れて「外5」加入が決まったが、今のところのストーリーは「主人公が組織に加わる」という導入部分のみ。読者の感情が盛り上がるポイントに欠けているという指摘が多いようだ。
SNS上では、《エイリアンズエリアは…地味! 全部が》《可もなく不可もなくで話題にしにくすぎる》《なんか…香りは凄い良いけど味がない漫画だ…》《話自体はちゃんとしてるんだけど、なんか盛り上げに欠けるのは何故だろうか》《2話を読んでもなんか虚無だったな》と厳しい意見が並んでいる。
致命的な“既視感”を払拭できるのか
ここまでのストーリーを振り返ると、第1話では主人公のバックグラウンドと世界観を提示。続く第2話では、本格的なバトルシーンが描かれている。しかしその流れは、オリジナリティがあるとは言い難いかもしれない。
端々に他の作品で見たことがある要素が散見されるのも、新鮮さに欠ける理由だろうか。第1話の時点で、主人公の「腕が伸びる」という能力が『ONE PIECE』のルフィにしか見えないと、読者たちが総ツッコミ。それを除いても、宇宙人を取り締まる秘密組織という設定は、映画『メン・イン・ブラック』によく似ている。第2話で写楽が見せた重力操作も、能力バトル漫画の定番だ。
近頃の「ジャンプ」は、20話前後で不調の作品を打ち切りにするケースがほとんど。それまでに、読者を釘付けにするようなオリジナリティを見せつけてくれればいいのだが…。
文=野木
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