『ONE PIECE』引き延ばし展開の弊害? ホーキンスの発言が原作とアニメで矛盾…

『ONE PIECE』引き延ばし展開の弊害? ホーキンスの発言が原作とアニメで矛盾…

『ONE PIECE』102巻(尾田栄一郎/集英社)

原作では見られない“アニオリ要素”によって、作品を盛り上げてきたアニメ『ONE PIECE』(フジテレビ系)。しかし原作の最新話にあたる第1052話『新しい朝』にて、アニメとは致命的に矛盾する設定が明かされてしまい、読者をざわつかせている。

※『ONE PIECE』最新話の内容に触れています

同エピソードが掲載されたのは、6月13日発売の『週刊少年ジャンプ』28号。大まかな流れとしては、ルフィが四皇・カイドウを倒して「ワノ国」の戦いが終わり、エピローグが描かれているところだ。

注目すべきは、深手を負ったバジル・ホーキンスと、X・ドレークによる会話シーン。ホーキンスは「ワラワラの実」の能力者であり、占いによって未来をある程度予測することが可能。もともと「鬼ヶ島」の戦いが始まる前、ドレークとの会話で“ある男”が明日まで生きている確立が「1%」だと語るシーンがあった。

それを踏まえて、ドレークは終戦後にあらためて“ある男”について尋ねるのだが、ホーキンスは「おれだ…」と一言。ユースタス・キッドへの仁義を通せなかった自分自身を振り返り、そのまま落命するような描写が挟まれる。これまで読者の間では「誰を占ったのか」と議論されてきたが、驚くべきことにホーキンス自身の未来だったようだ。

ところがこの伏線回収によって、アニメ版との矛盾が生じることに。実はアニメ版では第1001話の時点で、すでにホーキンスの口から占いの内容について明かされていた。その際には、「生きている確立1%の男」はドレークを指していたという。

無理のある引き延ばしが矛盾の原因に

もちろんアニメ版における展開は原作にはなかったもの。原作に追いつかないよう、尺稼ぎを行うためのアニオリ展開だったのだろうが、それが思わぬ裏目となってしまった。

矛盾に気が付いてしまった読者は少なくないようで、ネット上では《ここアニメ化する時に矛盾が生まれるのでは? やっぱり引き伸ばしって罪だ》《えっ、アニメではドレークで確定したと思うんだけど…》《アニメだとドレークだったけど、どうやって辻褄を合わせるんだろ》《原作に追いついてきてるのは分かるけど、不確定な情報には触れないようにしなきゃダメだろ》といった指摘が続出している。

しかもアニオリ展開が矛盾を生み出したのは、今回が初めてではない。サンジが伝説の海「オールブルー」を夢見ることになったきっかけについて、原作とアニメでは食い違いがあるのだ。

アニメでは第51話、海上レストラン『バラティエ』の見習い時代に、別のコックから「オールブルー」の存在を知らされていた。しかしその後、原作では幼少期のジェルマ時代に「オールブルー」を知ったと明かされ、矛盾が生じている。そのためファンの中には、《サンジの一番重要な目的なのにこの矛盾もやもや》と憤る人も…。

アニオリを乱発しすぎることで、原作とは別物のストーリーにならなければよいのだが…。

文=大獄貴司
写真=まいじつエンタ