『ポケモンユナイト』公式大会で寝落ちの珍騒動…“本気”になりきれないeスポーツ

『ポケモンユナイト』公式大会で寝落ちの珍騒動…“本気”になりきれないeスポーツ

『ポケモンユナイト』公式大会で寝落ちの珍騒動…“本気”になりきれないeスポーツ (C)PIXTA

6月18日から19日にかけて、人気ゲーム『ポケモンユナイト』の公式大会が開催。そこで優勝候補の筆頭とされていたチーム「銀河団」が、とんだ悲喜劇を巻き起こしてしまった。そして野次馬からは、eスポーツの“本気度”を疑われてしまうことに…。

戦わずして消えた「銀河団」

今回行われたのは、ロンドンで行われる世界大会「ポケモンワールドチャンピオンシップス2022」(WCS)への出場をかけた地域代表決定戦。YouTube上では公式放送も行われ、猛者ぞろいの24チームが激闘を繰り広げた。

地域代表決定戦に出場できたのは、今までのトーナメントで優秀な成績を残してきたチームのみ。どのチームもこの大会に勝利し、世界への切符をつかむために、努力を重ねてきたというわけだ。

そんな重要な1日、「銀河団」は「5人での試合進行が現状不可能」という理由で、1回戦から不戦敗に。続けて、敗者復活枠であるルーザーズトーナメントに移ったのだが、問題の解消に至らなかったのか、大会を棄権することが伝えられた。

実はこうした動きは、チームメンバーの1人が“寝落ち”していたことが原因だったそう。仮眠をとったつもりが、スマートフォンのトラブルで起床できなかったことが、この結果につながったという。

eスポーツの真価が問われる

「銀河団」は国内でも屈指の実力を誇るチームで、これまで複数回にわたって公式大会を制してきた。それだけでなく、メンバーに『GameWith』所属の有名プロ選手・ザクレイがいたことが大きな火種となったようだ。

ザクレイは『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズでよく名前を知られているのだが、「ポケモンユナイト」でタイトルを獲得するため、“本業”の競技シーンから一時退くほどに入れ込んでいた。大会当日にはツイッター上で《集大成》と意気込んでいたのだが、まさかの不戦敗という結果に、《これ現実?》と悲痛な心境を吐露している。

誰に悪意があったわけでもない、悲しい事故なのだが、ネット上ではこの騒動からeスポーツ全体を揶揄するような声も。《こういうレベルだからeスポーツ全体が見下され、馬鹿にされるんだよな》《こんなありさまでよくe“sports”なんて名乗れたな》《eスポーツだなんだ言っても結局遊びってことだろ》などと、心ない言葉が飛び交っていた。

たしかに“e”ではないスポーツの選手たちが、寝落ちで棄権するようなことはほとんどない。オンライン大会という特殊な状況が生み出した悲劇ではあるが、それでも本気度を疑ってしまう人が出るのも当然だろう。

eスポーツ界隈にいる人々はゲームの腕前ばかりを気にするが、シーンの発展には、もっと根本的なものが必要なのかもしれない…。

文=「まいじつエンタ」編集部

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