『ヒロアカ』356話エンデヴァー=ライナー説が再燃!『進撃の巨人』のような“呪い”描写

『ヒロアカ』356話エンデヴァー=ライナー説が再燃!『進撃の巨人』のような“呪い”描写

『僕のヒーローアカデミア』34巻(堀越耕平/集英社)

『僕のヒーローアカデミア』の第356話『敵について』が、6月20日発売の『週刊少年ジャンプ』29号に掲載。地獄のような過去を背負っているヒーロー・エンデヴァーの内面がこれまで以上に深く描き出され、読者を唸らせてしまった。

※『ヒロアカ』最新話の内容に触れています

AFO(オール・フォー・ワン)との戦いがスタートするなか、主戦力であるはずのエンデヴァーが負傷によって離脱。ホークスたちがAFOの一撃によって倒されようとした刹那、ギリギリで復活を遂げる。その直前、エンデヴァーは自分の中の自分と向き合うことで、己の道を確かめたのだった。

“自分”はエンデヴァーがどれだけもがいても超人にはなれないことを突き付け、原点が「弱さ」にあったことを指摘する。彼はオールマイトのような「真の超人」を妬み、卑屈にエンデヴァー(努力)と名乗ってきたのだ。しかしこの戦いでは己の弱さを呪い続けるという覚悟によって、あらためて命が光を放つ…。

振り返れば、エンデヴァーは自分では超人には勝てないと自覚し、その怨念から息子たちに厳しい教育を行ってきた。結果として惨劇を招き、荼毘を生み出したことで、自縄自縛に囚われていたのだろう。

だが、ここにきてその弱さをあえて受け入れることで、新たな境地に至ろうとしている。その姿に読者も《己にかけた呪いを力に変えて立ち上がるの、これ以上ないライジングでひっくり返った》《己の弱さを呪いながら自分の歪さを認めながら、それでも使命に殉じるか…》と胸を打たれたようだ。

強者になりたいという強い想いと、現実とのギャップに苦しめられてきたエンデヴァーの歩みは、爆豪勝己のそれとも似ている。2人はいずれも強さを求めた後、自分の弱さと向き合うこととなった、努力型のヒーローだ。オールマイト、そして緑谷出久がライバルに位置しているのも、共通したところがある。

しかしエンデヴァーは、他にも意外なキャラクターと似ているという…。

「呪い」を背負った2人のヒーロー

エンデヴァーは今回のエピソードで、自分が自分を認めることは未来永劫ないと宣言。自らの行いによって生まれた悲劇の因果を止める、ただそれだけが使命だと語る。その決意は、文字通り“呪い”の一種と言えるはずだ。

そしてエンデヴァーが背負った呪いをめぐり、読者の間では、「エンデヴァー=ライナー説」が燃え上がっている。ライナーとは、諌山創による漫画『進撃の巨人』に出てくるライナー・ブラウンのこと。彼もまた、過去に自分がとった行動にとりつかれており、幸せな未来から遠ざかろうとする呪いの犠牲者だった。

以前から2人が似ていると感じるファンは多かったが、今回あらためてその共通点が浮き彫りに。いずれも作者からいびつな愛情を注がれているキャラでもあるため、SNSなどでは、《作者に殴られ愛されてるこの感じ、進撃のライナーに近い》《どちらの推しも作者から歪んだ寵愛を受けている》といった声が上がっている。

エンデヴァーを待ち受けているのは、やはりライナーと近しい未来なのだろうか。それとも…。

文=野木
写真=まいじつエンタ