ドラゴンボールのパクリ?『ダイの大冒険』84話の「ドルオーラ」が物議

ドラゴンボールのパクリ?『ダイの大冒険』84話の「ドルオーラ」が物議

『ドラゴンクエスト ダイの大冒険 新装彩録版』25巻(漫画:稲田浩司、原作:三条陸、監修:堀井雄二/集英社)

しばしば『ドラゴンボール』と似ていることを指摘されてきた『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』だが、アニメ版でその違いを決定付ける描写が登場。7月2日に放送された第84話『起て、宿命の騎士』にて、ダイが「ドルオーラ」を放つシーンが大きな話題を呼んでいる。

※アニメ『ダイの大冒険』最新話の内容に触れています

ダイと一緒に行動していたレオナが、暴走した魔力炉の触手に囚われ、そのまま飲み込まれてしまう。ダイは自らの無力を嘆くのだが、その脳裏に母・ソアラが命を落としたときのビジョンが。そして死んだはずの父・バランの声が響き、「立ち上がれ、ダイよ!」と命じるのだった。

するとダイは、バランから受け継いだ2つ目の「竜の紋章」に覚醒。両手に紋章の光を携え、膨大なパワーの「紋章閃」によってレオナを救い出す。さらにトドメとして、今まで使えなかった必殺技「ドルオーラ」を放つシーンも…。

バランの幻影が、後ろからダイを支えるような構図も相まって、親子の絆を感じさせる名場面。視聴者たちも大いに沸き立っており、《親子の力のドルオーラ…鳥肌やばい》《ドルオーラを放つシーンで泣けた》《かっこよすぎんか? 激アツ展開でやばい》と絶賛されている。

しかし一方で既視感を覚える視聴者も多く、《ドルオーラ、親子かめはめ波すぎるだろ》《完全にドラゴンボールの悟飯と悟空の親子かめはめ波なんだけど、どっちが早くに編み出したんだろ?》《ダイの大冒険の作者は鳥山明に許可取ったの? 親子かめはめ波パクリますけどいいですか?って》《親子かめはめ波と言われても仕方ないけどドルオーラはかっこいいな》といった声も上がっていた。

だが今回のシーンの演出は、しっかりと差別化に成功している印象で、「ドラゴンボール」的ではなかったといえるだろう。

「ドルオーラ」と「親子かめはめ波」の違い

ただでさえ似ている2つの技だが、ダイが「ドルオーラ」を放つところは、いわゆる“親子かめはめ波”とそっくり。これはセル編にて、悟飯が父・悟空の幻影と共に、渾身の力を振り絞って放った技だ。亡き父を背負うという構図も相まって、よく似た印象を受ける。

ところがアニメでは、同じような必殺技でありながら、その演出は大違い。「ドルオーラ」は「親子かめはめ波」と同じく青いエネルギー波ではあったが、周りに赤黒い稲妻のようなエフェクトが発生。さらに、「ドラゴンボール」のようなタメのある描写ではなく、光線が一瞬で届いて敵を滅ぼしていた。

画面を見るかぎり、「ドルオーラ」と「親子かめはめ波」が異なる演出意図の下に制作されていたことは明らか。アニメを制作したのは、「ドラゴンボール」と同じく東映アニメーションなのだが、似せるつもりは毛頭なかったのだろう。

そうした配慮から、「ダイの大冒険」を「ドラゴンボール」とは違う形で看板作品にしようとする意気込みを感じる…というのは、少し考えすぎだろうか。

文=Tら
写真=まいじつエンタ