韓国発のファンタジー作品『俺だけレベルアップな件』のアニメ化プロジェクトが始動。2023年の放送に向けて制作されているようだが、原作の内容を知っている自称“普通の日本人”からは、激しい怒りの声が上がっている。
『俺レベ』原作には反日描写が?
同作は最弱のハンターとして働いている主人公が、なぜか自分だけ「レベルアップ」するようになり、強くなっていくファンタジー作品。しかし「ピッコマ」で日本語版を連載する際に、登場人物や地名などの設定が大幅に変更されている。たとえば主人公は「水篠旬」という名前の日本人に。そして原作で「日本」として登場した国は、「DFN」という架空の島国になった。
そんな同作がアニメ化されるのだが、発表によるとアニメーション制作は『A-1 Pictures』が担当。『Solo Leveling』という英題で世界中で人気の作品だが、日本語版を元にした日本のアニメとして作られるようだ。
『俺だけレベルアップな件』
2023年アニメプロジェクト始動。▼解禁情報まとめhttps://t.co/tZvz0l5UYl#俺レベ #SoloLeveling
— アニメ『俺だけレベルアップな件』公式 (@sololeveling_pr) July 4, 2022
しかし、この発表に日本のネット上では、《反日漫画が日本のアニメ会社でアニメ化するってまじ?》《俺だけレベルアップな件とかいう反日漫画アニメにするのやめてほしい》《A1がアニメ制作するのほんまに不愉快》《明らかな反日描写あるのに日本でアニメやるんすね…》といった声が。どうやら原作小説の一部描写に、いわゆる“反日”疑惑が上がっているらしい。
勢いを見せる韓国発のコミック作品
ただ、反日云々はさておき、最近は韓国の作品を原作とした漫画が勢いを見せている。たとえば『彼女が公爵邸に行った理由』という漫画作品のアニメ化も発表されたが、こちらも原作は韓国の小説。その背景には、韓国のIT大手『カカオ』が提供する、スマートフォン向け漫画・小説アプリがあるようだ。
「カカオ」が提供するサービスとして、日本で有名なのは「ピッコマ」。そして同社は韓国でも、『kakaopage』というウェブコミック投稿サイトを提供している。
「俺だけレベルアップな件」も「彼女が公爵邸に行った理由」も、架け橋となっているのは「カカオ」の漫画サイト。まず原作小説が「kakaopage」でコミカライズされ、その後「ピッコマ」にて日本語版のコミックが公開されるという流れだ。
ちなみに「ピッコマ」では「SMARTOON」という独自の形式の漫画を公開しているのだが、簡単に言えばスマートフォンなどのデバイスで読むことに特化させた漫画。上から下への縦スクロールで読みやすいように、コマ割りなどが工夫されており、「俺だけレベルアップな件」もSMARTOONで公開されている。
そんなSMARTOONは新しい漫画の形として人気を集め、一大ジャンルに成長。「俺だけレベルアップな件」のようにアニメ化される韓国発のコミックは、これからどんどん増えていきそうだ。
それと同時に、「俺だけレベルアップな件」と同じような日本の漫画ファンとの摩擦も増えていきそうだが…。
文=大上賢一
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