さまざまな偉人や神話をモデルにしたキャラクターが登場する人気スマホゲームの『Fate/Grand Order』(FGO)。先日、戯作者として名を残している曲亭馬琴がゲームに実装されたのだが、そのキャラクター設定が物議を醸してしまったようだ。
女体化での実装にドン引きの声多数
「FGO」は、プレイヤーがさまざまな英霊(サーヴァント)と協力し、冒険を繰り広げていくストーリー。その英霊は歴史上の偉人や神話に出てくる神など、幅広いジャンルから選出されており、現在までに数百体が実装されている。
そして6月29日には、期間限定イベントの主要人物としてサーヴァント「曲亭馬琴」が実装されることに。元ネタの曲亭馬琴は江戸時代に活躍した作家であり、その代表作である『南総里見八犬伝』が宝具の名前に採用されていた。
【カルデア広報局より】
期間限定「南溟弓張八犬伝 曲亭馬琴ピックアップ召喚」にて「★5(SSR)曲亭馬琴」「★4(SR)ヘシアン・ロボ(新宿のアヴェンジャー)」「★3(R)岡田以蔵」をピックアップ!本召喚は7月20日(水)12:59まで!詳しくは→https://t.co/Si4GJyHR5x #FGO #新イベント #南溟弓張八犬伝 pic.twitter.com/ciccnaCJNk— 【公式】Fate/Grand Order (@fgoproject) July 1, 2022
問題は、そんな新キャラの見た目が女性だったこと。当然、史実における曲亭馬琴は男性だった。実はそのカラダは馬琴の息子の妻だった“お路”のものらしく、彼女の人格が残っている一方、馬琴の意志が強くなることもあるようだ。
そうした設定をめぐって、一部のユーザーは生理的に拒否感を抱いてしまったようだ。ネット上では、《息子の嫁の身体に憑依って気色悪い》《今回のFGOは馬琴が気持ち悪かった。息子の嫁の身体を使うとかねーわ》《息子の嫁が若かったころの身体を使うのシンプルにキモい…》といった声が上がっていた。
設定の正しさと“萌えオタク”への配慮
また、曲亭馬琴をめぐる議論の中で、他のキャラクターにも思わぬ飛び火が。同じように娘・お栄のカラダを使うサーヴァントの葛飾北斎に対して、あらためて《ありえない》といった声が上がってしまったのだ。
とはいえ、いずれも史実を忠実に踏まえた上でのキャラクター化ではある。たとえば馬琴は視力を失っていき、晩年には失明に至るのだが、そこでお路に文字を教え込む。そして口述筆記によって、「南総里見八犬伝」を完成させたという逸話があるという。
また、葛飾北斎とその三女・お栄の間にも、特殊な絆があったことで有名。お栄は離婚した後、北斎のもとで長年暮らしながら浮世絵師として名を上げ、2人で共作することも多かったと言われている。
そうした文脈を考えれば、「FGO」におけるキャラクター設定も自然なものではある。実際にはそれだけでなく、女性キャラの見た目にすることでユーザーを喜ばせることが念頭にあるのかもしれないが…。
文=「まいじつエンタ」編集部
【画像】
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