世間を賑わすダークヒーロー漫画『チェンソーマン』の第2部が、7月13日に『少年ジャンプ+』でついに幕を開けた。 第1部「公安編」完結から約1年半ぶりに描かれたのは、一層混沌とした藤本タツキワールド。謎が謎を呼ぶ展開が、さまざまな考察を呼んでいる。
※『チェンソーマン』最新話に触れています
第98話『鳥と戦争』で中心となるのは、世間をひねくれた目で見る女子高生の三鷹アサ。彼女のクラスでは、命の勉強として「鶏の悪魔」コケピーを飼い始める。クラスに馴染めないアサは、コケピーの存在によって同級生との関係が少しだけ変化。しかしそれは、グロテスクな運命の序章に過ぎなかった…。
全世界待望&衝撃の『チェンソーマン』第二部開始✨最新第98話「鳥と戦争」本日配信❗️
同級生はチキン⁉️
⬇️https://t.co/yJWTOxFU5cRT&いいジャン&コメント応援大歓迎‼️
コミックスは1〜11巻累計1300万部突破🌎💫
アプリで初回全話無料🆓⭐️第一部から一気読みで毎週水曜連載を是非💥 pic.twitter.com/PtupQ35K2q— 林士平(りんしへい) (@SHIHEILIN) July 12, 2022
ラストシーンでは、とある少女が「戦争の悪魔」と契約を結ぶシーンが登場。その悪魔はチェンソーマンを狙っており、「核兵器」を吐き出させることを目論んでいるようだ。
第1部を読んでいたファンなら分かるだろうが、「核兵器」は作中世界から存在が消えているはずの概念。チェンソーマンが食べた悪魔は世界から消えてしまうという設定があり、「核兵器の悪魔」も彼に食べられたことが示唆されていた。
そのため普通なら「核兵器」を思い出すことができないはずだが、「戦争の悪魔」はなぜか記憶を保持しているらしい。「支配の悪魔」であったマキマもまた、消失した概念を認識していたが、彼らは同じレベルの高位存在なのかもしれない。
さらに第2部の考察ポイントとして話題を呼んでいるのが、新約聖書の『ヨハネの黙示録』だ。
“大ハズレ”だった考察も
「ヨハネの黙示録」には四騎士と呼ばれる存在が登場し、第1の騎士から順番に「支配」「戦争」「飢饉」「死」の役割を担っているという。
そして第1部では「支配の悪魔」がストーリーの中心となっていたが、第2部の1話では「戦争の悪魔」が登場。そこから、各章で四騎士がラスボスとなることが予想されている。
そのため、読者の間では《まさかチェンソーマン4部までやるつもりなのか…?》《3部が飢餓の悪魔で4部が死の悪魔かな》《4部作構成だとしたらめちゃくちゃ嬉しい》と、「チェンソーマン」が全4部構成となる可能性が指摘されている。
「戦争の悪魔」が登場したことによって、残りの「飢饉の悪魔」「死の悪魔」も登場することはほぼ確定だろう。そのため、ディープな考察勢からは「飢餓の悪魔」にまつわる予想も白熱。そして、契約者がすでに登場しているという説が浮上した。その人物は、契約している悪魔が「秘密」であり、趣味が「おいしい物を食べる事」と語っていたことから、コベニだと予想されている。
同作の担当編集である林士平氏は、昨年9月に発売された雑誌『Rolling Stone Japan』のインタビューで、作者・藤本からコベニの契約悪魔をすでに聞いていると明かしており、その感想を「聞きたくなかったなって感じ」と語っている。もし藤本が第1部の途中から第2部の構想を展開していたとしたら、さまざまな重要キャラを容赦なく殺してきた「チェンソーマン」第1部で、コベニ生き残ったのも納得だろう。
ちなみに、考察が深まる一方で、第2部の1話では、とある説が全否定されることに。かつて考察勢の間では、チェンソーマンの名前が正式名称の「チェーンソー」ではなく、「チェンソー」である理由について、深い意味があると考えられていた。語感が似ていることから、デンジが聞き間違えただけで、本当は「戦争(センソー)の悪魔」だと考察されていたのだ。
しかし、「戦争の悪魔」が正式に登場したため、どうやらこの説はハズレだったのだろう。ちなみに第1部の1話の副題は「犬とチェンソー」、第2部1話の副題は「鳥と戦争」でバッチリ韻を踏んでいる。実際、98話は1話のオマージュの様な内容で、似通ったポイントが多かった印象だ。
そのほか引用の元ネタとして、『タコピーの原罪』や『100日後に死ぬワニ』『進撃の巨人』『ボボボーボ・ボーボボ』『無限の住人』や、自身の読み切り作品『さよなら絵梨』などの名前が挙がっており、藤本ワールド全開な内容に歓喜の声が続出している。
もちろん藤本タツキのことなので、トンデモ展開を描く可能性も大いにある。考察などは一旦どこかへ置いといて、まずはフツーに楽しみたいところだ。
文=野木
写真=まいじつエンタ