日本はホラー映画もオワコン! 台湾の最恐ホラー『呪詛』が象徴するレベルの差

日本はホラー映画もオワコン! 台湾の最恐ホラー『呪詛』が象徴するレベルの差

日本はホラー映画もオワコン! 台湾の最恐ホラー『呪詛』が象徴するレベルの差 (C)PIXTA

7月8日からNetflixで配信が始まった台湾のホラー映画『呪詛』が、世界中で大きな話題を呼んでいる。さまざまなホラー映画の遺産にインスパイアされている作品だが、そんな同作にあてられて、かつて栄華を誇ったジャパニーズホラーの凋落を感じる人も多いようだ。

台湾から生まれた“最恐”のホラー

「呪詛」は、2005年に台湾の高雄市で起きた奇妙な事件をモデルにしたホラー映画。3月18日に台湾で公開されると瞬く間に話題となり、台湾史上最高の興行収入を記録するほどの大ヒット作に。さらに台北映画祭では7部門にノミネートされるなど、映画業界からも高く評価されていた。

大枠としては、“禁忌”をやぶった過去をもつ主人公の女性が、娘を呪いから守ろうとするストーリー。疑似ドキュメンタリー的な作りとなっており、観る者の恐怖を煽るための仕掛けがいくつも盛り込まれている。

また、同作を手掛けたケヴィン・コー監督は、『リング』や『呪怨』シリーズといった日本の名作ホラーから影響を受けたことを公言していた。実際に「呪詛」は、呪いや怨念と関わる人間の心理を克明に描いたストーリーとなっており、その影響関係をはっきり感じられるだろう。

ネット上でも、《日本ホラーに似たところがあって面白い》《古きよき日本ホラーと今っぽさがありました》《日本ホラーへの愛を感じた》といった声が数多く上がっていた。

ジャパニーズホラーは復活しないのか

国内でも未曽有の「呪詛」ブームが起きつつある中で、一部ではジャパニーズホラーの現状を悲観視する人も。《最近の日本ホラーとは大違いでちゃんと怖い映画だった》《かつて黄金時代だったジャパニーズホラーの凋落をつくづく感じる》《ぶっちゃけ日本ホラーじゃもう追いつけないわこれ》などと、両者の差が指摘されてしまっている。

たしかに、飛躍的な進化を遂げている台湾ホラーに対して、近年の日本ホラー業界は歴史に名を残すような大ヒット作に恵まれていない。世界に評価された「リング」や「呪怨」はいずれも1990年代後半から2000年代前半の作品なので、日本ホラーの“黄金期”からはすでに20年ほどが経過していると言えるだろう。

強いて言えば、2018年に公開された中島哲也監督の『来る』は多少話題を集めていた。とはいえ、それは純粋なホラー映画としてではなく、エンタメ要素が強かったことによるネタ的な話題性も含まれていた印象。王道路線としては、台湾ホラーのような質の高い映画を作れていないのが現状だ。

ホラー作品だけでなく、1950年前後の日本映画は世界中から評価されていた。昨今、日本映画界の性加害報道が話題になっていたが、業界を壊滅させたのは誰なのだろうか。他国の作品に刺激を受けて、ふたたび日本映画が盛り上がってくれるといいのだが…。

文=「まいじつエンタ」編集部

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