今年6月から『週刊少年ジャンプ』で連載が始まり、大きな話題を呼んでいた眞藤正興の『ルリドラゴン』。次世代の看板候補となるはずが、はやくも長期休載に入ることが決まってしまい、ファンたちが悲しみに暮れている。
好調から一転…意気消沈のファン
「ルリドラゴン」はある日突然、身体の“ドラゴン化”が始まった女子高生・青木ルリの日常を描いた漫画。「ジャンプ」では珍しい日常系のような空気感や、キュートな絵柄によって瞬く間に人気が爆発した。
前身となる読み切りは声優・小見川千明によってボイスコミック化されており、200万回以上再生されていたほどの勢い。そして連載版もわずか数話しか掲載していないにもかかわらず、LINEスタンプの発売にいたっている。
ところが読者人気とは裏腹に、第5話が掲載された次の週に休載。さらに8月1日に発売された「ジャンプ」35号でも休載だった上、“長期休載”に突入することが明らかになった。
『ルリドラゴン』休載に関して
本日発売の週刊少年ジャンプ35号におしらせを掲載しております。
重ねて、楽しみにしていただいている読者の皆さまには大変申し訳ありません。#週刊少年ジャンプ#ルリドラゴン pic.twitter.com/wOUt2YaZpb
— ルリドラゴン公式@LINEスタンプ発売中▲▲ (@SHINDO_MASAOKI) July 31, 2022
休載の理由は作者の体調不良とのこと。編集部と持続可能な執筆スタイルを模索していたものの、一定期間休んだ方がいいという判断になったという。今のところ、連載の再開時期は未定のようだ。
今をときめく人気作に舞い込んだ、驚きの発表。ファンからは《長期休載か…今のジャンプの中で一番期待していただけに残念》《休載悲しいけど体調不良はほんとやむなし》《まだ連載始まったばかりなのにしばらく休載はつらいなぁ》と惜しむ声が続出している。
「ジャンプ」につきものの長期休載
「ジャンプ」では週刊連載という仕組みの影響か、作者の体調不良で長期休載に入るケースが珍しくない。代表的なのは、2018年以降、3年半以上も連載が止まっている『HUNTER×HUNTER』。その理由は怠惰などではなく、作者・冨樫義博が椅子に座れないほどの腰痛を抱えていることにあるようだ。
また、アニメ化もされたヒット作『ワールドトリガー』も有名な例。作者の葦原大介が「頚椎症性神経根症」を患ったことで、約2年の長期休載を余儀なくされた。連載は再開したものの、週刊連載は難しくなり、月刊誌『ジャンプスクエア』へと移籍している。
編集部もこうした例から学んだのか、最近は主力の連載陣でも定期的に休載を挟むことが増えている模様。とはいえ、人気投票によって生き残り競争が繰り広げられるシステム上、新人作家はおちおち休んでいられないだろう。
「ルリドラゴン」もスタートから2カ月経っておらず、まだ人気が盤石にはなっていない段階。ファンの心が離れないよう、編集部には丁寧なサポートを期待したいところだ。
文=野木
【画像】
master1305 / PIXTA