一歩が強すぎて悲劇…『はじめの一歩』1390話ヴォルグの世界戦が波乱の幕開け

一歩が強すぎて悲劇…『はじめの一歩』1390話ヴォルグの世界戦が波乱の幕開け

『はじめの一歩』135巻(森川ジョージ/講談社)

8月3日発売の『週刊少年マガジン』36・37合併号に、長寿ボクシング漫画『はじめの一歩』の第1390話が掲載。ジュニアライト級世界王者、ヴォルグ・ザンギエフの防衛戦が始まったのだが、意外な理由で暗雲が立ち込めてしまったようだ。

※『はじめの一歩』最新話の内容に触れています

リカルド・マルチネスvsウォーリーの前座試合として始まった、ヴォルグの世界戦。対戦相手となるのは、小柄で筋肉のついた、いかにもファイターという体格のボクサーだった。そのためトレーナーの団吉は、試合前にファイター型の典型である一歩とスパーリングしておいたのは正解だったと振り返る。

しかし肝心のヴォルグは、なにやら浮かない顔。実は一歩のボディブローによって、腹部の骨を痛めてしまっていたのだ。長期戦は不利と判断したヴォルグは、いきなり必殺技「ホワイトファング」を放とうとするが、さっそくアバラを激痛が襲う──。

ヴォルグといえば、全日本新人王に輝いたルーキー時代の一歩が競い合ったライバルの1人。その後は階級をジュニアライト級に変更し、一歩に先んじて世界王者の座に輝いたが、今でもその存在感は変わらない。

今年6月に掲載された第1384話では、現役引退中の一歩とまさかのスパーリングが実現。もはや交わることがないと思われていた2人の再戦に、胸を熱くさせられた読者も多かったが、それが仇となってしまうことに…。

想定よりもはるかに成長していた一歩

調子を整えるためのスパーリングのはずが、むしろ試合に響くダメージを残してしまった一歩の拳。たしかにスパーリング中の一歩は、格上となったヴォルグのために本気でインファイトを仕掛けていき、「ガゼルパンチ」や「デンプシー・ロール」といった伝家の宝刀まで披露していた。途中からヒートアップするあまり、お互いに普通の試合のように打ち合っていた印象だ。

なにより一歩はヴォルグに大きな恩義を感じているらしく、拳を交える際には散々「恩返し」という言葉を思い浮かべていた。しかしそんなすべてが空回りしたことで、ネット上では《一歩、ヴォルグへの恩返しでシャレにならんことしててワロタ》《一歩とのスパーで骨を痛めるヴォルグ…なにこれ…》《他ジムの王者をスパーリングで壊すとか追放もんだろ》《一歩さん、迷惑すぎるだろ》といったツッコミが相次いでいる。

とはいえ、ヴォルグもスパーリングにおいて手を抜いていた様子はなく、むしろパンチドランカー疑惑のある一歩に「ホワイトファング」を打ち込むほどのやる気だった。そんな状況でヴォルグに怪我を負わせたということは、それだけ今の一歩が強くなっているということだ。

穿った見方をすれば、これもまた一歩の現役復帰にいたる伏線の1つなのかもしれない。世界王者と互角に戦えるレベルの実力を、一刻も早くリング上で見せ付けてほしいものだが…。

文=「まいじつエンタ」編集部
写真=まいじつエンタ