『呪術廻戦』196話をフェミニストが絶賛!? 大相撲“女人禁制”問題に切り込む

『呪術廻戦』196話をフェミニストが絶賛!? 大相撲“女人禁制”問題に切り込む

『呪術廻戦』20巻(芥見下々/集英社)

9月5日発売の『週刊少年ジャンプ』40号に掲載された『呪術廻戦』の第196話『桜島結界(6)』では、突如として熱い“相撲”バトルが勃発。シュールな展開にもかかわらず、一部のフェミニストからは絶賛の声が上がっている。

※『呪術廻戦』最新話の内容に触れています

呪霊化した禪院直哉との戦いが劣勢に傾く中、禪院真希の目の前に三代六十四(みよ・ろくじゅうし)という人物が現れる。彼はカッパのような見た目で、こよなく相撲を愛しており、“土俵”にそっくりな簡易領域を展開するのだった。

そして三代は真希に対して、相撲勝負を持ちかける。あまりにも謎が多いものの、真希はその誘いを快諾。自身の成長に行き詰まりを感じていたため、三代との戦いから何かを掴み取ろうとしていたのだ。

簡易領域の外にいる直哉たちを置き去りにして、魂と魂の対話を行う2人。最終的に、真希は新たな境地へと至る──。

シリアスなエピソードの真っただ中で、なぜか唐突に大一番がスタート。まるでギャグのようだが、本人たちは至って真面目だ。真希にとっては人生初となる“師匠”を獲得することになり、シュールな修行回となった。

予想外すぎる話の流れに、《今週の呪術、カッパが相撲してるだけで終わったんだが…》《カッパが師匠…? 相撲で意気投合…?》《先週が鬼滅の刃で今週は火ノ丸相撲でした》とあっけにとられる読者も多かったようだ。

実は“女人禁制”への問題提起?

一見、カオスではあったが、絶賛の声もいくつか上がっていた。その理由となっているのが、「女人禁制」のしきたりだ。

相撲の世界では古くから、土俵に入れるのは男性だけで、女性が土俵に上がることは固く禁じられていたとされる。作中でも前回、モブの女子高生たちがこの“土俵問題”に触れていた。しかし今回、そんな神聖な土俵に真希が上がり、男女平等の相撲をとることで覚醒を遂げている。

しかも彼女の生まれである禪院家では、激しい男尊女卑が横行しており、呪術師としてはほとんど女人禁制のような扱いだった。この2つをうまく絡め、女性キャラの成長を描いたということで、フェミニズム的な文脈で大きな話題を呼んでいる。

SNSなどでは、《女だからと差別されてきた真希が、自由に目覚める展開、カタルシスしかない》《土俵問題に触れたうえで女の真希を土俵にあげるの好きすぎる》《女で呪術が使えないから差別されてきた真希さんが、女人禁制の土俵に上がって振り切るの、最高に最高》と賞賛の声が相次いでいた。

前回までは『鬼滅の刃』パロディを乱発していたかと思えば、今回は急に現実の問題にも鋭いメスを入れてきた「呪術廻戦」。ますます次の展開が読めなくなる一方だ。

文=野木
写真=まいじつエンタ